「より軽く、薄く、高速に」(“Lighter”、“Thinner”、“Lighter”)というのは、下掲の動画にも出てくるように、AppleがSteve Jobsの時代からずっと続けてきていること(「ナントカの1つ覚え」といった言葉も頭に浮かんでくる)。だから、その点だけ切り取ってみると、今回のiPadからiPad Airへのアップグレードにも革新的といえるほど目新しい点は特にないかもしれない(ユーザーの視点の動きをトラックして、ページを自動的にスクロールしていく、といったギミックは少なくともない)。
[Apple CEO Steve Jobs introduces iPad 2, a faster, thinner and lighter tablet]
ただ、愚直なまでに同じ事柄を繰り返すAppleの姿勢、そこから生じる結果の「質的な違い」に、今回ほど期待させられることもめずらしい。早くその違いを確かめてみたいと思う次第である。
最後に。
Benedict Evansというアナリストが「二極化するタブレット市場」について言及した記事の中には、かなり興味深いチャートと指摘が載っている。iPad、Google経由でアクティベートされたAndroid(GoogleのNexusを含む)、それに中国などでたくさん売れているという(Googleを経由しない)Androidタブレットについての販売台数を示したもので、これを見るとiPad、Googleの把握するAndroid、中国製などその他のAndroidがほぼ3等分していることが分かる。
ただし、非Google経由のAndroidについては「中心価格帯が75~150ドルで、テレビと競合する使われ方をしているもの(ネット動画視聴)が多い」とか、「Nexusの出荷台数はごくわずか」とか、「PC代わりに使える300ドル以上の価格帯では、iPadはいまなお事実上敵なし」とかいった指摘があり、経済系ニュースサイトでよく目にするような、大手調査会社のまとめた市場シェアに関するデータとは実情がかなり異なることも伺われる。簡単に言ってしまえば、「単純な台数によるシェア比較は、もはやほとんど役に立たない」ということになろうか。
・iPads, price and self-selection - Benedict Evans
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