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「Software-Defined」化でITは情シス部門の枠を超える--EMCのウェブスター氏 - (page 3)

大河原克行

2014-03-20 07:30

--これからのEMCを表現するのに最適な言葉は何でしょうか。

Webster氏:一言では言いにくいですが、われわれの役割は企業がSoftware-Defined Enterpriseになるための支援をすることです。ITはSoftware-Definedの世界に入っていきます。

 つまり、企業はSoftware-Defined Enterpriseになっていくわけです。これは、Software-Defined StorageやSoftware-Defined DataCenterなどによって構成され、Software-Defined環境における分析や洞察も行われることになります。ここにEMCは製品、技術をそろえていくことになります。

山野氏:日本のユーザーには、Software-Defined Enterpriseという言葉が直感的には理解しにくいかもしれません。例えば、ビッグデータは情報システム部門ものではなく、マーケティング部門や営業部門なども扱うものであり、全社規模でとらえなくてはならなくてはなりません。もはやビッグデータやアプリケーションは情報システム部門のものではないわけです。

 また、これからはエンタープライズアプリケーションのほとんどがモバイル化してくると、すべての業務がモバイル上で行われ、情報システム部門の担当領域を超えることになる。社内のコミュニケーションもソーシャルメディアになると、今までのITではとらえられないものになってくる。つまり、エンタープライズにおけるさまざまな活動がソフトウェアで行われるようになる。これがSoftware-Defined Enterpriseの意味するところなのです。

Webster氏:EMCのこれからの役割は、企業がSoftware-Defined Enterpriseになることを支援する会社になること――一言で表現するならば「ITの変革を可能にする会社」です。

--これはある意味、EMCが長年にわたり取り組んできたものだともいえますね。

Webster:5年前のEMCは、新たなストレージインフラへの変革を支援することはできた。しかし、いまのEMCは、新たなストレージインフラへの変革だけにとどまらず、新たなITインフラへの変革、新たなサーバ環境への変革、新たなネットワーク環境や新たなアプリケーションへの変革を支援できる。ITが持つすべての階層が、新たな世界へと変革していく上での支援能力を備えています。

--日本法人について、2013年の評価と2014年に期待することを教えてください。

Webster氏:私は厳しい性格なので(笑)、10点満点はつけないのですが、2013年のEMCジャパンの評価は10点中9.9点ですね。2014年における期待は今後も顧客やパートナーとの関係を強めてほしいという点です。製品や技術では高い水準のものを提供し、市場占有率でもリーダーとしての存在感を発揮している。

 その上で顧客、パートナー、社員を重視してほしい。成功の鍵は、顧客に信頼してもらうこと。これがないとわれわれのビジネスの成長はありません。また、パートナーの利益と成長を考えた事業展開をしていかなくてはならない。

 EMCジャパンの社員がチームワークをもって取り組んでいけば、顧客やパートナーに喜んでもらえる。この3つの要件にしっかりと取り組んでいけば、日本で必ず成功できると考えています。

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