“デジタル化”進む消費者--フロントサイドITに工夫を:アクセンチュア分析

齋藤公二 (インサイト) 2014年04月25日 11時42分

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 日本の消費者は企業が考えるよりもデジタル化が進んでいる――。

 アクセンチュアが発表した保険に関する消費者調査で明らかになっている。保険会社が今後取るべきIT施策としては、顧客接点を設計するにはデジタルと非デジタルのクロスチャネルが必要であり、顧客向けにカスタマイズできる商品の開発、そして若年層へのアプローチということをアクセンチュアは提唱している。

 アクセンチュアは、世界11カ国の保険契約者6135人を対象に2013年7月4~25日にオンラインで調査。日本の有効回答数は500件(自動車保険175件、火災保険175件、生命保険150件)で、18~55歳の男女が回答した。結果は「The Accenture 2013 Consumer-Driven Innovation Survey」(英文)としてまとめられている。

林岳郎氏
アクセンチュア 金融サービス本部 保険グループ統括 マネジング・ディレクター 林岳郎氏
大窪章敬氏
アクセンチュア株式会社金融サービス本部 保険業界スペシャリスト シニア・プリンシパル 大窪章敬氏

 4月21日に開かれた会見でアクセンチュア金融サービス本部保険グループ統括マネジング・ディレクター林岳郎氏は「調査からわかったのは、消費者は事業者の予想以上にデジタル化しているということ。デジタル化は、マーケティングの方法や顧客接点の作り方、サービス提供のあり方を大きく変える。これまで保険業界のIT施策というと、バックサイドにおけるオペレーションの効率化が中心だった。今後は、デジタル化に呼応したフロントサイドの取り組みが重要になってくる」と総括。具体的な調査の数字などについては、金融サービス本部保険業界スペシャリスト シニア・プリンシパルの大窪章敬氏も加わって解説した。

 消費者の間でデジタル化が進展していることを示すデータとしては、オンラインでの保険商品やサービス購入に前向きなことが挙げられる。どんな商品またはサービスをオンラインで購入したいかを聞いたところ、「保証期間の延長」が37%、「旅行保険および緊急時アシスタンスサービス」が36%、「生命保険」が20%など、全回答者の67%がオンラインでの購入を望んでいるという結果となった。

 保険購入でソーシャルメディアを参考にするケースも増えており、「ソーシャルメディアのコメントやアドバイスをどのくらい参考にするか」と聞くと、「非常に重要」が5%、「ある程度重要」が36%となり、およそ4割の購入者に影響を与えるまでになっていた。

 「あまり重要ではない」は33%、「まったく重要ではない」は26%と依然として多いものの、ソーシャルメディアを使ったサービス提供についての質問では、「苦情やコメントに対応する」「キャンペーンや割引を提供する」「(顧客の)フィードバックを活用して改善を図り、新商品を開発する」などソーシャルメディアの使い方に期待を寄せている回答者は49%に上っていた。

 こうした消費者のトレンドはデジタル化の進展のほかに、注目できるものが2つあったという。それは「カスタマイズされた商品やサービスを望んでいること」「若年層は最もデジタル化されているが、事業者からのコンタクトは極めて少ない」ということだ。

 カスタマイズされた商品やサービスについては、現在加入している保険会社が、走った量に応じて保険料が変わる自動車保険や、リスクの少ない行動で保険料が下がる生命保険などを提供することをどう思うか聞いた。その結果、「自動車保険の保険料を毎月の自動車の利用頻度に応じて決定する」ことに興味を持つのは72%、「より優れた安全なドライバーになるための指導を行い、その改善に応じて保険料を減額する」ことに興味を持つのは68%、「利用状況や行動に基いて個人によりあった商品を提供する」ことに興味を持つのは65%となった。

 「保険料の最適化や個人に合った商品提供を受けるためであれば、保険会社が自分の利用状況や行動に関する情報にアクセスしてもよい」と思っている消費者は回答者の3分の2に上った。具体的には「保険料を最適化するためにアクセスしてもよい」は37%、「アクセスする情報による」は51%、「アクセスしてほしくない」は12%だった。「個人に合った商品を提供するためにアクセスしてもよい」は33%、「アクセスする情報による」は53%、「アクセスしてほしくない」は14%だった。

 3つめのトレンドの若年層の意識については、若年層であるほどスマートフォンや携帯電話をよく利用し、ソーシャルメディアのコメントやアドバイスを重要だと考えていた。一方で、保険加入率は20代で男性が51.3%、女性が52.8%と、他の年代と比べて際立って低いことが改めて明らかになった。

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