ジェスチャーで音楽を奏でる「手袋型」ウェアラブル--音楽家イモージェン・ヒープの世界

Eileen Brown (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2014-05-02 07:30

 ミュージシャンが演奏中にさまざまなコンソールや楽器の間を動き回っているというのはよく見かける光景だ。しかし、マウスをクリックしたり、フェーダーを操作したりしても、望み通りの音が作り出せるとは限らない。


Imogen Heap氏

 ミュージシャンのImogen Heap氏はそのような状況を変えようとしている。Heap氏は、手の動きを音に変える手袋を作り出したのだ。同氏はさまざまなジャンルの音楽を取り入れた、型破りで創造性に富んだ英国のアーティストであり、これまでにグラミー賞やアイヴァー・ノヴェロ賞を受賞している。

 Heap氏が「Mi.Mu Glove」を作り出そうと考えたのは、2010年にマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボを訪問した折に、手の動きによって音を「捉える」ことのできるデバイスのプロトタイプを目にしたのがきっかけである。

 同氏はこのデバイスが音楽や芸術にもたらし得る影響の大きさに気付いた。

 手の動きを音に変えることで、電子音楽のイベントを魅力あるビジュアルのショーにできるようになるとはいえ、このグローブの対象ユーザーはミュージシャンだけではない。

 子どもも、ユニークかつ刺激的な方法で楽器を学べるようになる。また聴覚障がい者の手話を音声に変換すれば、手話を知らない人とのコミュニケーションも円滑になるはずだ。

 このグローブを使えば機械をより自然に制御でき、しかもその操作はおのずと直感的なものとなるだろう。ここでのアイデアは、ピアノを演奏する感覚でコンピュータを操作できるようにし、出てくる音を身体の動きによって変化させ、表現力を高めようというものだ。


Imogen Heap氏

 このグローブは音楽ソフトウェアにアクセスし、サウンドのマッピングを行うとともに、手の動きや指の曲がり具合をセンサでモニタするようになっている。なお、この動画を視聴すれば、Heap氏がどのように同グローブを使っているのかが分かる。

 ソフトウェアとハードウェアは、さまざまな人々がその用途を模索できるようオープンソースとして扱われる。

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