新興企業をうまく立ち上げるには正しい心構えと環境が必要となる。本記事では、起業家に転身する準備ができていないことを見極めるための5つのサインを解説する。
ベンチャーキャピタルによる投資が、ピークだったドットコム時代の水準にまで回復するとともに、起業家として独立する人々が増えてきている。また、起業にまつわるエコシステムが大きく成長し、新規株式公開(IPO)や買収が数や規模の面で前代未聞となり、全米でトップニュースを飾るようになったことは、新興企業の創業者になるには最高の時だと告げていると言える。
しかし、新興企業創業者としての道はとても険しい。場合によっては、実りのほとんどないものを生み出すために多くの時間と多大なエネルギーを要することもある。準備や覚悟のない人間の前に起業家への道などひらけていないと言えば、それで十分だろう。
提供:iStockphoto/Igor Dutina
以下は新興企業を立ち上げるという夢を脇へやり、日々の仕事に注力した方がよいと判断するうえでの5つのサインだ。
#1:サポートシステムを持っていない
コーネル大学のジョンソン経営大学院で経営学の教授を務めるJason Hogg氏は、起業家になりたいと同氏のもとを訪れる人に「あなたの決断をサポートしてくれるサポートネットワーク(家族や友人、配偶者、同僚)がありますか?」という質問を必ず投げかけるという。
起業家として成功するには、あなたをサポートしてくれるしっかりとしたネットワークが必要であり、家庭はそういったサポートの重要な起点となる。サポート、特に配偶者からのサポートが得られない場合、仕事上の意思決定に個人的な理由を持ち込んで失敗することになりかねない。周囲の人々から支援を得ることも期待できないだろう。
Made With Elasticの最高経営責任者(CEO)であるMoj Mahdara氏は「プロフェッショナルかつ個人的な相談相手とともに、この種のコミュニティーを成長させるためのコミュニティーも必要となる。というのも、そういったものがなければ、すぐに燃え尽きてしまうからだ」と述べている。
新興企業の創業者は敗北に備える必要がある。Anomoの会長兼共同創業者であり、米リアリティ番組「The Apprentice」のシーズン6で最終選考にまで残ったJames Sun氏は、これを「door slam effect」(ドアがぴしゃりと閉められる効果)と呼んでいる。この効果はサポートシステムという後ろ盾がない営業担当者が直面する問題と同じである。こういった拒絶を受けても精神的に参らないようにするのはとても難しいのだ。また、あなたを信じ、応援している人がいるという事実を知っておくことも重要だ。
あなたのそばにいる人の力を過小評価してはいけない。