飲食店情報検索サイト「ぐるなび」が商用版Hadoopディストリビューション「MapR」でデータ分析基盤を刷新する。ノーチラス・テクノロジーズとマップアール・テクノロジーズが7月3日に発表した。データ分析基盤の刷新は今夏を予定している。
これまで、ぐるなびのHadoopはオープンソース版だが、データ量の増加に伴うシステム増設が不可避となり、運用コストの増加が課題となっていた。今夏のサービス強化に伴うノードの増設を機にアーキテクチャを見直すとともに処理能力や安定性、使いやすさに定評のあるMapRの採用を決めたという。
MapRは、Hadoopのネームノードに関する問題が解決されており、単一障害点とパフォーマンスボトルネックがないため、サーバ台数を従来の3分の1にまで圧縮できるという。運用を効率化するとともに総所有コスト(TCO)を抑えられるとメリットを説明している。
ランダムリード/ライト処理を完全にサポートした業界スタンダードであるNFSインターフェースを備えている。既存システムとデータ分析基盤がシームレスにつながり、さまざまなファイルベースのアプリケーションをそのまま実行できることもMapRの利点としている。
MapRでは、マルチテナント機能を搭載していることで、多部門でそれぞれ異なるポリシーを設定でき、きめ細かく運用管理できると説明。ノード上のジョブも冗長化されているため、障害発生時にもジョブの実行状態が常に保管され、処理の途中から再開できるという。
ノーチラスが構築を支援する。今回の刷新では、ノーチラスが開発したHadoop向けのバッチ処理フレームワーク「Asakusa Framework」の利用を検討し、分析基盤としてだけでなく業務系システムの基盤としてもHadoopを活用していく予定としている。
ぐるなびは、MapR上にアクセスログや検索ログなどのデータを収集、分析し、ぐるなびのユーザーと加盟飲食店それぞれに対して付加価値の高いサービスを提供して、満足度の向上を狙う。