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山谷剛史の「中国ビジネス四方山話」

普及しないビジネス特化型SNS--中国でLinkedInのようなサービスが流行らない理由 - (page 2)

山谷剛史

2014-07-08 07:30

 中国人は、戸籍以外の土地に住むと行政面で不便を強いられる。加えて飲みニケーションなどの積み重ねにより、中国人社会は地域ネットワークが強くなり、ビジネスパーソン同士の繋がりどころか、「誰かの知り合いが警察の上級職」まで活用する。そのため、定住した土地を離れることは、ネットワークがほぼなくなることを意味する。そのため中国人がLinkedInのようなサービスを活用して、プロジェクト毎に都市を転々と移動するというのは実に非現実的だ。海外転勤は可能だが、国内転勤は不可能という中国企業もある。ならば同じ都市内でのビジネスパートナーを探すのはどうかというと、サービスを待つまでもなく、人間関係が重視される中国では、同郷のビジネスパーソン同士で人脈がある。

 同僚同士が土日も遊ぶことが普通である「公私混同」環境なら、SNSもまたわざわざFacebookとLinkedInに分ける必要もなく、中国で旬の「微信(WeChat)」や「微博(Weibo)」で事足りる。ネット黎明期ならまだしも、都市部のビジネスパーソンや学生のインターネット利用率が極めて高い今、中国リアル社会に蔓延する「人間不信」はネット社会にも浸透し、わざわざ新サービスで人脈を開拓しようと考える人は少ない。

 中国国内の主要なSNSでは、微信が4億人、微博が3億人と、億単位の利用者がいる。SNSは人がいないと成り立たないサービスであることは言うまでもなく、例えばネット規制を越える人はたくさんいても、他に利用者が少ないことから、中国人のTwitterやFacebookの利用者は極めて少ない。ビジネス特化型SNSに興味を持つ少ない中国人のパイを、さらに似たり寄ったりの「大街」「天際」「優士」「人和」などの複数のSNSがパイを取り合う不毛な競争が行われている状況で、利用者が分散し、さらに魅力が損なわれている。

 こうした理由から、冒頭で書いたように、一度ゼロからリスタートしない限り、中国ではLinkedIn型のSNSは普及しようがない。では中国でインターネットとリクルーティングは無理かというとそんなことはなく、以前から非SNSの定番リクルーティングサイトはある。また最新のWEBトレンドを採用したものでは、微博に人材募集情報を書き込む「微招聘」が流行っている。

山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター
2002年より中国雲南省昆明市を拠点に活動。中国、インド、アセアンのITや消費トレンドをIT系メディア・経済系メディア・トレンド誌などに執筆。メディア出演、講演も行う。著書に「日本人が知らない中国ネットトレンド2014 」「新しい中国人 ネットで団結する若者たち 」など。

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