安価なLinuxボード「Raspberry Pi」、新モデル「B+」で試したい5つのこと

Nick Heath (TechRepublic) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2014-07-22 07:30

 35ドルのLinuxボード「Raspberry Pi」のアップグレードモデルが発売された。本記事では、この新しいRaspberry Piを使うことでより簡単に達成できるようになった、5つのタスクを紹介する。

 Raspberry Piコンピュータが発売されて2年になるが、その間、この35ドルのLinux搭載のシングルボードコンピュータでは、マイナーチェンジしか行われてこなかった。

 Raspberry Piは今回、より本格的なアップグレードが行われ、200万人を超えるこの製品のユーザーからの要望が最も多かった機能を追加している。

 こうした改善点が組み込まれたのが、新しいシングルボード製品である「Raspberry Pi Model B+」だ。Model B+は「Model B」と同じ35ドルで発売されている。

 Raspberry Pi財団の共同設立者で、Raspberry Piエンジニアリングチームの最高経営責任者(CEO)であるEben Upton氏はModel B+を、2012年に発売されたRaspberry Piボードの最終進化形と言い表している。

 Upton氏はTechRepublicに対して、「これはわれわれができる最善の形だ。現在の世代の半導体ではこれ以上のことはできない」と語っている。


Raspberry Pi Model B+
提供:Raspberry Pi Foundation

 この記事では5つのタスクを通じて、Model B+の新機能を紹介する。

1. 3Dプリンタの制御

 Raspberry Piでは今までも、読書ロボットからポータブル点字パッドまで、あらゆるもののコマンドや通信ができるようになっていた。

 しかしこれまでは大抵、Raspberry Piと、制御したいハードウェアとのやり取りが可能な中間ボードを接続する必要があった。

 こうしたボードやハードウェアと連携するため、Raspberry Piでは、汎用入出力(GPIO)ピン経由で、データを高/低電圧電気信号としてエンコードされた情報に変換している。

 Model B+では、ほかのハードウェアとのやり取りに使用する主要インターフェースをアップグレードしている。ボード上のGPIOピンの数は26本から40本に増やしてあり、そうすることでRaspberry Piと直接接続できるハードウェアの幅が広がる。

 Raspberry Piのブログでは、新しいModel B+を使って3Dプリンタを直接制御することを紹介している。これができるのは、Model B+には、プリントヘッドの位置合わせをするステッピングモーターを動かすのに十分な数のGPIOピンがあるためだ。しかし3Dプリンタと接続するというのは、より簡単になった改造例の1つに過ぎない。

 Raspberry Pi財団のUpton氏は、Model B+での機能改良によって、このボードにより多くのハードウェアを直接つなぐことが簡単になるとしている。

 「追加されたGPIOピンを経由すれば、ポートエキスパンダを使わずに、このデバイスからより多くのものを制御できる。これにより、直接動かせるものの範囲が大きく広がる」(Upton氏)

 具体的に言うと、GPIOピンが追加されたことで、ユーザーはRaspberry Piに搭載されたシステムオンチップであるBroadcomの「BCM2835」のインターフェースを活用することができる。このことは、Raspberry Piを使ってカスタムメイドの機器をつないでいる組織にとってもありがたい話だ。

 「われわれが使っているBroadcomのチップは、LCDパネルインターフェースであるDPIと、二次メモリインターフェースであるSMIという2つのインターフェースを備えている。SMIは、周辺機器とやり取りをするための方法としては、非常に強力で一般的だ」(Upton氏)

 「この新しい40ピンコネクタを使えば、DPIやSMIインターフェースを使用するのに必要なピンがすべて確保できることになる」(Upton氏)

 Upton氏は、「SMIに接続できるものはたくさんある。要するに、それは一般的な並列バスの機能を果たす」と述べて、例としてUSBや、イーサネットコントローラ、FPGA搭載のトップボードの追加を挙げた。

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