精度高まる機械翻訳
Nadella氏はOfficeやWindowsなど、Microsoftのドル箱ビジネスの話にはそれほど触れずに、エンジニア出身らしく、近未来的でこれから生まれ得る技術に焦点を当てるように講演を進めた。
新たなソリューションをつくるという意味では、Microsoftが持つアプリケーションを組み合わせてAPI経由でデータを連携させ、新規に構築するというイメージを持っているようだ。それをパートナーに作り込んでほしいという意途が見える。
最後に実施したデモは、Skypeと機械翻訳の機能を組み合わせ、言葉の通じない外国人同士が電話で会話するというものだった。
デモ担当者の英国出身の男性は、友人であるドイツ人の女性にSkypeで電話した。
「ワールドカップ見てた?」(男性)
(ドイツ後に翻訳後)「(ドイツ後で)もちろん、一晩中喜んでた。ドイツはブラジル戦でたくさん得点したわ。ところで、あなたは忙しい?」(女性)
(英語に翻訳後)「これからシアトルに帰って、3日後にニューヨーク、その後すぐボストンに行って……(かなり複雑な文章)」(男性)
(かなり正確にドイツ語に翻訳され、男性と女性の会話が続く。会場からは拍手が起きた。)
Nadella氏は「カスタマーサービスなどに応用できそう」と指摘。「現実を見て勇気を持て」というニーチェの言葉を引用しながら「現在の成功は必ず明日につながる。大胆に取り組み、ビジネスモデルを作り出していく」と力強く語って見せた。
ドイツにいる女性と機械翻訳でSkype通話する。英語からドイツ語とその逆の翻訳文がテキストと音声で伝えられる。音声は抑揚のない機械音だった