マイクロソフトによるノキア携帯事業の買収は正解だったのか

Patrick Gray (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 石橋啓一郎 2014年08月06日 07時30分

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 Microsoftの最近の四半期業績報告では、フィンランドのスマートフォンメーカーNokiaの携帯事業買収は、あまり芳しくない結果しか出していない。この買収は、前最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏が最後に打った戦略的布石だ。買収が行われた当時は、多くの人がこれをスマートフォン市場の二大企業であるAppleとGoogleを追うための一手であると解釈した。Appleはこれまで常にハードウェアを自社生産してきたし、Googleは同社の主力デバイスである「Nexus」シリーズの生産を多様なハードウェアパートナーに任せていたが、Motorola Mobilityの買収によってそれも終わったと思われた。パイオニアであるBlackBerryもハードウェア事業を売り渡すことを拒否し続けており、これも当時はスマートフォンプラットフォーム事業を牽引するには、OSだけではなくハードウェアも必要であるという見方を支持する材料となった。

右に倣えか、戦略的な布石か

 すべての競合相手がそれぞれ自社のプラットフォームに直接的に関与する中、Nokiaの買収はとりわけMicrosoftに関しては筋が通っているように見えた。「Windows Phone」のリリースによってスマートフォンに再び注力しようというMicrosoftの試みは、デバイスメーカーとの連携に発展しなかった。また、Nokiaがこの市場で大胆な賭けをするまでは、Windowsベースのスマートフォンのほとんどは既存の「Android」版を少し手直ししたものに過ぎなかった。Nokiaの主力スマートフォンプラットフォームをWindows Phoneに変更したことで、このプラットフォームはそれなりに勢いを得たが、Androidや「iOS」のスマートフォン販売に大きな影響を及ぼすことはなかった。

 買収からの1年強で状況は変化した。BlackBerryは市場から消え、GoogleはMotorola MobilityをLenovoに売却してソフトウェアの生産に集中し、ハードウェアの生産はサードパーティーに頼る体制に戻った。今の市場の流れを見ると、ハードウェアの自社生産は重要ではないように思える。その結果、MicrosoftによるNokia買収は近視眼的なものだったように見えている。元Nokiaの従業員を中心とした最近のレイオフなどが、その見方に拍車を掛けている。

 しかし、Nokiaなしでは、Windows Phoneはもっと悪い状況になっていた可能性が高い。Nokiaはもはや1990年代のような巨大モバイルデバイスメーカーではないが、依然として名前の通ったブランドであり、同社がWindows Phoneにもたらしたいくつかのイノベーションは、市場シェアを獲得しようともがく同プラットフォームに世間の関心を呼び起こした。両社にとって不幸なことに、この共生関係は依存関係に変わってしまったようだ。Windows Phoneの売れ行きは芳しくなく、低迷していた当時のNokiaを立ち直らせる力はなかった。Microsoftにとっては、重要なハードウェアパートナーが消えていくのを座視するのではなく、Nokiaのブランド、知識資本、そしてWindows Phoneの小さなマーケットの支配的地位を買い取ることがMicrosoftの唯一の選択肢だったのかも知れない。

 Nokiaへのダメージは、単なるフィンランドの象徴的企業に対する打撃ではなく、Windows Phoneそのものに対する決定的評価として受け取られかねなかった。また、Windows Phoneのイメージを損なうだけでなく、そのプラットフォームでスマートフォンを作っている唯一の真のイノベーターを失うことも考えられた。確かにMicrosoftは、HTCやその他のハードウェアパートナーから1つか2つ新たなモデルを出してもらう交渉をすることもできただろうが、そうして作られたデバイスは、中途半端なAndroidスマートフォンの焼き直しに終わった可能性が高い。Nokiaの買収が最終的に成功か失敗かを議論することはできるが、Windows Phoneのプラットフォームとしての長期的な生存可能性を考えれば、それが唯一の選択肢だった可能性もある。

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