Appleが「iPad」を発表した際、多くの人々はPC市場(当時はMacのデスクトップ製品とノートPC製品も含んでいた)が侵食されるという主張に懐疑的なまなざしを向けていた。そして、大ヒットしたこのタブレットが数度のバージョンアップを経て、「iPad mini」というかたちで市場に投入された際も、多くの人々は今までのサイズのタブレット市場が侵食されるという主張に懐疑的であった。
Appleは「iPhone」と最新のデスクトップ/ノートPC向けOSをクラウドによって融合させることで、「OS X 10.10 Yosemite」の生産性を大きく向上させた。その素晴らしさは筆者がiPadを使い続ける必然性をあらためて問い直したくなるほどのものだ。
iPadやその他のタブレット製品が、長い間待ち望まれていた「ノートPCの代わりになるモバイル機器」であると多くの人々は考えていた。しかし少なくとも筆者は、2011年以来ずっと手元に置いている愛機「MacBook」の代わりになるものとは考えていない。
Appleは、タブレットという詰めの甘い中途半端な製品に心を動かされないし評価もしないという人々のために、「モバイル機器の代わりになるノートPC」とでもいうべき観点に立って、iPhoneやiPad、Macすべてを制限無しに接続し、シームレスな生産性を実現するために、さまざまなプラットフォームをつなごうとしている。
30日間で数回のアップデートを経てきているYosemiteは、現時点ではまだところどころにバグがあり、不備も潜んでいる。クラッシュやバグは残っていても不思議ではなく、同ソフトウェアが最終的に完璧な製品として仕上がった際には消えて無くなっているはずであるため、本記事ではそれらに焦点を当てるつもりはない。ここでの目的は、ビジュアルの違いや、生産性への影響、時の試練に耐えられるかどうかを明確にするというものだ。
iPhoneやiPadの論理的かつビジュアルな延長
これは間違いなく言えることだ。Yosemiteをインストールし、MacBookを最初に起動した際に気付くのは、新しいインターフェースとユーザーエクスペリエンスだ。目新しく新鮮だが、ドックや書体に対するちょっとした変更には「iOS 7」へのアップグレード時を思い起こさせるものがあるため、不快感を覚えるほどではない。
よりフラットな見た目となったドック
提供:ZDNet/CBS Interactive