Service Busは、バックエンドのシステムにモバイル向けのインターフェースを追加し、社内アプリケーション資産と連携することができる。最新版の12cではモバイル対応が強化されており、RESTインターフェースが拡張されて、JSONオブジェクトによるデータのやり取りに対応した。これにより、社内資産がSOAPなどで構築されていたとしても、Service Busがデータやプロトコルを変換することで、そのまま既存資産に手を加えずに利用できる。300を超えるアダプタを利用できるため、インターフェースを持たない既存資産もモバイル利用向けに公開することが可能となっている。
「Mobile Suiteは、コンポーネント単位で利用できるオープンなプラットフォームだ。Mobile Application Frameworkだけを使うこともできるし、Service Busだけを使うこともできる。後から別なコンポーネントが必要なら追加購入すればよい」(Huang氏)
今回のイベントでは、NTTドコモグループで使われているクラウド型社内業務システム「dDREAMS」の次期版に向けて、Mobile Application Frameworkの採用に向けた検討が行われていることも紹介された。
エンタープライズレベルのセキュリティを提供
もう1つのMobile Security Suiteは、デバイス上の企業データを保護、管理するための製品で、主に以下の3つの機能を提供する。
- セキュアなコンテナ:アプリをコンテナに格納することで、アプリとデータを保護。データのコピーやスクリーンショット、印刷などをポリシーベースで制限可能
- セキュアな接続とコントロールマネジメント:仮想専用網(VPN)を使わずに、アプリとバックエンド間の通信を暗号化。企業側のダッシュボードからアプリやデータの削除が可能
- ID管理:社内の認証サーバと連携して、認証と認可を一元化。不正アクセスの検知、監査の機能を提供
「Mobile Security Suiteのコンテナはラッピングモデルを採用している。既存のアプリに変更を加えることなく、ラッピングすることでセキュリティを担保することが可能だ。また、企業内にEnterprise App Storeを設置して、ユーザーごとに利用可能なアプリ、機能を制御することもできる」(Huang氏)