4.クリーンエネルギー
クリーンエネルギーはおそらく最大の課題であり、最も重要な課題でもある。米エネルギー情報局によれば、2013年の米国の全エネルギー消費の10%、および発電量の13%が再生可能エネルギーだった。太陽光発電は、2013年の米国のエネルギー供給のわずか0.3%にすぎない。風力発電は4%だ。
クリーンエネルギーが抱える大きな課題は、生成されたエネルギーの保存と輸送だろう。これこそ、スマートエネルギーグリッドでテクノロジが貢献できる分野だ。スマートグリッドには、科学で新たなブレークスルーが起きて新たな再生可能エネルギー源が生まれるのに匹敵するほどの力がある。
5.IoT(モノのインターネット)
エネルギーの利用状況を監視すれば、よりスマートに利用することができる。例えばNestを見てみよう。プログラムされていないサーモスタットを使うと、冷暖房で最大20%が無駄になる。Nestはパターンを学習して自動的にエネルギーを節約するよう調整するスマートサーモスタットによって、この問題に取り組んでいる。モノのインターネットがあれば、アプリで電気を消すといったシンプルなやり方や、多様なシステムと接続できる「IFTTT」のようなアプリを使うことで、エネルギーとカーボンフットプリントを節約することができる。IoTはまた、スプリンクラーのシステムを監視して水を節約したり、運転中にセンサを使用して経路をナビゲーションすることで、渋滞でのアイドリングやガソリンの無駄遣いを減らすことにもつながる。
6.肉の代替物
畜産業は気候変動に大きな影響を与えている。ハンバーガーを1つ作るには、7台の「iPad」に電力供給するよりも大きなエネルギーを必要とする。バード大学、ワイツマン科学研究所、イェール大学が発表した新しい論文によれば、牛肉だけで豚肉や鶏肉の生産に比べ、28倍多くの土地と、11倍の水を必要とし、5倍の温室効果ガスを排出し、排出量全体の5分の1を占めると推計されている。
テクノロジは、動物をもとにした食料の消費量を減らそうとしている。新興企業がこれらの問題に取り組んでいる。Hampton Creekは、卵を使わないクッキーの生地とマヨネーズの代替品を作っており、将来は他にも多くの代替食品を作る計画だ。また「Beyond Meat」は見た目や味が肉そっくりの植物性タンパク質だ。Modern Meadowは再生医学を生かして、革製品や肉製品を作っている。