「Chromebook」は好き嫌いが分かれるが、それがモバイルコンピュータの世界に食い込んできていることは認めざるを得ない。学校は先を争うように購入しているし、消費者は「Chrome OS」を搭載したこの安価なノートPCを認識し始めている。
Microsoftは、同社が「Windows」によって享受してきたコンピュータ世界での支配的立場が、Chromebookによって危うくなることに早い段階で気付いていた。Windowsと同社の「Surface」タブレットに関する初期の広告の一部では、真っ向からChromebookをターゲットにしていた。
Chromebookの売り上げが増加し続ければ、それは実際にMicrosoftにとって長期的な脅威になる。とはいえ、エンタープライズの世界では、Windowsが支配者であり続けるだろうから、Chromebookの脅威はそこまで表に出ていない。
同じことがIntelについても言える。同社のCPUは、最近まで事実上、世界中のあらゆるPCに搭載されていた。PCの世界ではMicrosoftのライバルであるAppleでさえ、「Intel Inside」(インテル、入ってる)の状態である。
「Intel Inside」と言えば、このチップメーカーが行った、非常に成功したマーケティングキャンペーンを思い出す。コンピュータの前に座ると、それがIntelのチップで動いていることをはっきりと示す、小さなステッカーを目にする機会が非常に多かったものだ。
これには、コンピュータユーザーが知らず知らずのうちに、PCとIntelを同一視するようになるという作用があった。Intelがショーの主導権を握っていて、クリーンルーム用作業服を着た技術者やあらゆる人を踊らせていることは誰もが知っていた。コンピュータであれば、Intelはその中のどこかにいて魔法を使っているのだ。
形勢が変わり始めたのは、Microsoftが、Intelの代わりにARMプロセッサを搭載したシステムで動く、「Windows RT」を導入した時だ。それはIntelにとってうれしい話ではなかったはずだし、MicrosoftとIntelの間ではおそらく、この変更について議論する密談が行われただろう。