Windows RTは成功しなかったので、Intelの幹部は一斉に胸をなで下ろしただろう。例によって、Intelのその安心感も長くは続かなかった。GoogleによるChrome OS搭載のノートPCがこの世界に入り込んできたからだ。
Chromebookの大半はIntel製プロセッサを使っているので、勝ち目のない話というわけではない。しかし一部のChromebookはWindows RTシステムと同様、厄介なARMチップを使っている。つまり「Intel Inside」ではないということだ。
ARMプロセッサ搭載のChromebookが非常にうまく機能しており、市場での売れ行きも好調であることも状況を悪くしている。Chrome OSという軽量なOSは、性能の劣るハードウェアでも順調に稼働するように作られていて、それはIntelテクノロジが必要とされていないことを意味する。
NVIDIAのChromebook市場への参入によっても、状況は悪化の一途をたどっている。同社の「Tegra」プロセッサは、Googleテクノロジを搭載したノートPCにぴったりである。そのことはIntelを少なからず不安にさせるはずだ。これはIntelのイメージにとっては直接的な打撃である。Chromebookの所有者は、「Intel Inside」ではなくても構わないということに気づいてしまうからだ。
このようなIntelハードウェアを搭載しないChromebookが学校に広まるにつれて、生徒たちはそれに慣れてくる。次世代のコンピュータ購入者たちがIntelのことを忘れるまでに、そう時間はかからないだろう。それは、この大手プロセッサメーカーにとって問題となるはずだ。
Intelは巨大企業であり、Chromebookがそのビジネス全体を奪うことは決してないだろう。しかしWindowsに影響を与えているように、Intelとコンピュータの関連性が失われることは、永続的な影響をもたらす。将来、コンピュータを買う人は、「Intel Inside」かどうかを気にしなくなるだろう。
Chromebookは学校で広く使われており、次世代のPC購入者はそれらに触れていることになる。これは、生徒たちがWindowsなしで成長しているという意味だが、同時に、Intelについて考えることもなくなっているということでもある。これはIntelと、コンピュータ向けプロセッサ市場での同社のほぼ独占的な地位にとって、長期的な脅威となる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。