成功するための10の鉄則
過去10年のIT進化に関するA.T. カーニーの研究によると、成功したITリーダーはビジネス要件の変化に迅速に対応し、自らのオペレーティングモデルを適応させている。デジタル化が進展し、より競争が厳しくなることで、多くの企業はITの真の価値を認識するだろう。ITはすぐに、結果を出さなければならない。市場の変化に迅速に対応することが、ITの主要な評価指標になるであろう。
A.T. カーニーは、CIOがITの価値を高めつつ、ITコストを抑制する一助として、10の鉄則を包括した3つの戦略目標を策定した。
ビジネスのデジタル化を促進する
- 1. 技術者ではなく経営者として振る舞う
- 2. ビジネスニーズをIT要件に結びつけるスキルを身につける
- 3. コア領域への洗練されたソリューションの適用、ノンコア領域への標準パッケージの適用を推進する
ビジネスをシンプル化し、ITアーキテクチャを最適化する
- 4. ITによって、ビジネスをシンプル化することに注力する
- 5. アプリケーション数を削減し、株主価値を高める
- 6. これまでのやり方と決別し、ゼロベースでアプローチを検討する
- 7. サーバ、ストレージ、ネットワーク領域において、フロントシステムには革新的なソリューションを活用し、基幹システムには標準ソリューションを活用する
スピーディーでコスト効率の高いIT導入の実現
- 8. コスト単独ではなく、スピードとコストの両面に注視する
- 9. 必要に応じ、従来型の開発手法を踏襲したチームと、スピードを追及するチームとを並存させる
- 10. 必要に応じ、IT機能は分散化させる。一方で、開発の大部分は集約化、もしくはアウトソーシングする
ITの役割が進化し続ける結果、ビジネス環境の変化への適応力が企業の成功を左右する要因となる。この10の鉄則は、CIOをITのコストと価値のバランスを最適化に導くだろう。そのバランスは企業ごとに異なるが、これを模索し、IT戦略につなげていく企業が勝者となる。