うわさによるとMicrosoftは「Windows」の次期メジャーバージョン(開発コード名:「Threshold」)を9月末に発表し、その後しばらくしてからプレビュー版を一般公開するという。
最終的に「Windows 9」と呼ばれるであろうこの製品がどのようなものになるのかという情報は、既に少し明らかになっている。Microsoftは公式に、スタートメニューの復活と、新しくモダンなデザインの採用、Windowsデスクトップ上のウィンドウ内でのモバイルアプリ(「Metro」スタイルのアプリ)の実行という機能追加を発表している。また最近では、仮想デスクトップの追加や、「Windows 8」固有のチャームメニューの廃止もうわさされている。さらに「Cortana」の追加という可能性もある。
筆者は、これがWindowsのリリースにおけるMicrosoftからの最後の「一大改定」なのかどうかというさまざまな議論を目にしてきている。筆者が知っている限り、その疑問は2年近く前に答えが出されている。この称号は、おそらく過去最大の改定であったWindows 8に与えられるべきだ。同OSではアプリのモデルが刷新され、Windowsユーザーが過去に慣れ親しんできたユーザーインターフェースの慣例の多くに手が入れられている。
一大改定という点から見た場合、Windows 8の機能一式はリリース時点で固められているはずだった。この18カ月間でWindows 8のアップデートとして追加されてきた新機能の多くは、「Threshold」のために用意されてきたものであり、その機能一式は来年のThresholdリリース時点で固められているはずであった。
このリリースは、とても長いレースにおける新たなステージの始まりを告げる号砲といった方が適切だろう。今秋にプレビュー版として公開されるバージョンは数カ月をかけて最終リリースとしてアップデートされ、その後はMicrosoftの新しく迅速なアップデートサイクルとともに改定と拡張が何度も繰り返されることになる。
この次期リリースにおける具体的な機能に目を向けるのは興味深いとはいえ、それは詰まるところ近視眼的なものの見方と言える。より重要なのは、同リリースが向こう数年かけてどのように進化(そして、願わくば向上)していくのかである。
このため筆者は機能に着目するのではなく、こういった新たな機能や変更された機能によって解決されるべき大きな問題に焦点を合わせることにした。モバイル機器とオンラインサービスが割拠する混沌とした、そして目まぐるしく移り変わる世界において、これこそがWindows 9の進化として筆者が望むものなのだ。