Googleの影響力を無効にする
最後の難問は最大の難問でもある。
ニュースサイトQuartzにおけるDan Frommer氏の最近の記事にもあったように、Googleはモバイルアプリのパブリッシャーとして世界で最も成功している企業だ。comScoreのデータによると、最も普及しているモバイルアプリ10個のうち「YouTube」や「Google検索」「Google Maps」を含む5個がGoogleのものとなっている。
こういったアプリのうち、Windowsプラットフォーム上で利用可能になっているのは、「Windows Phone」上や、Windows 8.1(そしてもうすぐWindows 9)が稼働するPC向けのWindowsストア内を含めてもGoogle検索だけだ。
「Gmail」やYouTubeといった一般的なGoogleサービスのネイティブアプリ版が用意されていない点について不満の声がやまないWindows 8.1は、大きな問題を抱えていると言える。このため、モバイル機器(Microsoft自身の「Surface」を含む、Windowsが稼働するタブレットやノートPC)上でGoogleのサービスを利用しようとするといらいらすることになる。
最終的にそのいらいらが高じて自らのWindowsマシンに「Google Chrome」をインストールすることになる。Googleが妥協しない理由は、もちろんここにある。
GoogleにはMicrosoftに協力する気もないし、その動機もない。実際GoogleはWindows 8がリリースされてすぐ、Gmailの無償バージョンから意図的に機能を削除し、Microsoftの「Windows Mail」クライアントと「Outlook 2013」におけるGmailサポートをやめている。

Googleは自社サービスとのやり取りを行うAPIを公開しているが、これを使用した「完全な電子メールクライアントとしてのアクセスを行う」アプリの開発を禁じている。また、2013年にWindows Phone向けのYouTubeアプリをMicrosoftが開発しようとした際に出てきた話であるが、Microsoftは、Googleのサービスをリバースエンジニアリングして自社アプリの開発に結びつけることを明確に禁じられている。
筆者は答えがどのようなものになるのか分からない。ChromiumからGoogleの成果を取り除いたWindows固有バージョンの開発だろうか?それとも、オープンソースプロジェクトであるAndroidを仮想マシン上で実行し、Googleのアプリをサイドローディングするのだろうか?
Googleが検索分野(そして検索広告分野)を実質的に独占しており、Microsoftはモバイルプラットフォーム市場で劣勢に立たされていることを考えると、答えは皮肉にも独占禁止法違反だと訴えることにあるのかもしれない。
いや、それは絶対に起こり得ないだろう。
これらがWindows 9の前に立ちはだかっている難問だ。Microsoftがこれらの難問にどのように立ち向かっていくのか、筆者は楽しみにしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。