IIJは2010年11月から提供している独自開発のSaaS型外国為替証拠金取引(FX)システム「IIJ Raptorサービス」の基盤に、インメモリデータグリッド製品を導入し、処理性能を大幅に向上、約定スピードを従来比約9倍に高速化した。製品を提供した日本オラクルが9月3日発表した。
IIJ Raptorサービスは、利便性の高い「投資家向け機能」と高い管理機能を擁した「業務管理者向け機能」、収益を最大化させる「ディーラー向け機能」で構成され、取引所接続も含めた統合プラットフォームを実現している。
その基盤として新たに導入されたインメモリデータグリッド製品は、オラクルのインメモリデータグリッド製品「Oracle Coherence」。頻繁に使用されるデータに対して、可用性と耐障害性を備え、高速で信頼性の高いアクセスを可能にし、業務に不可欠なアプリケーションを計画的に拡張できるとする。
IIJ Raptorサービスにおいては、約定スピードの大幅な向上を目的として導入。2013年8月から稼働を開始した。従来比約9倍という約定スピードを実現し、システムの拡張性と耐障害性も高められるという。
IIJ Raptorサービスはオンラインブローカー(FX/証券/銀行)向けFXプラットフォームとして提供されており、12社が導入している。ユーザーの1社である大阪市のヒロセ通商はFXサービス「LION FX」を支えるシステム基盤として稼働させている。
ヒロセ通商によると、IIJ Raptorサービスは利用者のさらなる利便性向上とサービス拡充を目的に導入したもので、約定にかかる時間を従来比約半分の17ミリ秒まで短縮、その後も段階的に約定スピードが向上し続け、7月のバージョンアップでは最速1ミリ秒、平均で4ミリ秒を達成している。