富士通は9月19日、社内のグローバルコミュニケーション基盤にエンタープライズビデオ基盤を追加、国内グループ従業員11万人に対するライブ配信とビデオオンデマンド(VOD)配信の環境を整備したと発表した。
同社は2012年からメールや社内ポータルサイト、ウェブ会議、SNS、ソフトフォンなどグループ内のグローバルコミュニケーション基盤の統一を進めている。今回のエンタープライズビデオ基盤整備はその一環で、動画活用による情報共有の即時性や理解度の向上を目的としている。
グローバルコミュニケーション基盤の各システム(富士通提供)
YouTubeをはじめとするサービスが普及し、スマートフォンで撮影された動画が利用されるようになっている中で、ビジネスでも動画の利用シーンが増えてきているが、コンテンツ作製の煩雑さやセキュリティの観点から課題があった。
こうした課題を解消すべく、今回整備した基盤ではアクセス制限の柔軟な設定などを可能とした。大規模なライブ配信の仕組みとVODの機能を備えたエンタープライズビデオ基盤を既存の社内ポータルや社内SNSと連携することで、グループ間での情報共有の即時性や理解度向上に役立てられるとしている。
エンタープライズビデオ基盤と関連するシステム(富士通提供)
グループ企業を含めたガバナンス強化やタイムリーな情報の共有のために、トップメッセージなどのライブ配信やライブ配信後にスムーズにアンケート回答できる仕組みを構築した。年始挨拶や新商品の発表会など年間約500のイベントで利用する計画で、海外も含めた全従業員約17万人まで配信規模を拡大する予定。
富士通では、新商品の紹介などをライブ配信し、聴講できなかった人向けにVODを社内公開している。今回の基盤では、ビデオ制作を容易に行える機能も搭載、プレゼンテーターと発表資料(スライド)を連動させたコンビネーションビデオなどを自ら簡単に作れるという。
今後は、映像を活用したマニュアルの利用や従業員教育などで活用する予定。新規コンテンツだけでなく、約5000ファイルの既存ビデオコンテンツも今回の基盤へ移行し、スピーチサーチ機能によるビデオ内のキーワード検索などでコンテンツの有効活用を図る。
VOD視聴は、すでに構築済みのグローバルコミュニケーション基盤の全社ID管理システムと連携しているため、組織ごと、グループごとなど聴講者を限定したり、聴講者のアクセス履歴を確認したりできる。既存の社内ポータルやSNSとの連携で文字だけでなく映像まで含めた情報活用が図れる。
富士通では今後、今回のエンタープライズビデオ基盤に加えて、これまでのメールや社内ポータルサイト、ウェブ会議、SNS、ソフトフォン、スマートフォン活用などのローバルコミュニケーション基盤の社内実践ノウハウを企画検討から運用までの製品やサービスとして提供し、企業のワークスタイル変革を支援していくとしている。
各フェーズの支援メニュー体系(富士通提供)