「iPhone 6 Plus」はビジネスにどう役立つ? - (page 2)

Constellation Research (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2014-09-26 06:00

 なぜピクセル数が重要なのだろうか。多くのビジネスでは、写真や動画の美しさはあまり重要ではない。本当に重要なのは、画面の解像度が高いほど、ウェブサイトを見るときに、スクロールしなくても表示できる情報が多くなるということだ。これは、会計や営業、マーケティングでブラウザベースのアプリケーションを利用している企業にとっては、素晴らしいニュースだ。確かに、そういったアプリケーションの多くには、モバイルアプリも用意されているのだが、モバイルアプリ版は通常機能縮小版で、重要な機能が欠けている場合が多い。

 Safariを立ち上げて、完全版のウェブアプリを見られるというのは、iPhone 6 Plusの大きな魅力だ。おそらく多くの開発会社は、このファブレットの形態を生かした気の利いたデザインに移行していくだろう。

 またアプリケーションについても、新型の「A8」プロセッサのおかげで、iPhone 6は先代モデルよりも25%高速になっている。アプリの動作が速いほど、生産性も向上する。さらにバッテリ持続時間が延びており、特にiPhone 6 Plusのバッテリは、音声再生で80時間、ブラウジングで12時間、待ち受けだけなら16日間も持つ。

3.通話しやすい

 発売日まで伏せられていた便利な機能に、Wi-Fi通話がある。携帯の電波が弱いオフィスでも、Wi-Fiネットワークを使った電話の発信や受信ができる。Wi-Fiを使った通話中にオフィスを離れても、iPhone 6はなめらかに携帯ネットワークにハンドオフしてくれる。もはや、壁の厚いビルの中にオフィスがあっても、問題なく電話できるようになったのだ。

 もう1つの便利な通話関係の機能は、広帯域携帯電話ネットワークを使って通話できる「VoLTE」だ。これを使うと、会話がより明瞭になり、聞き取りやすくなる。さらに、LTEで音声とデータを同時に送信できるため、通話を切ることなくスマートフォンで調べ物をすることもできる。小さな設計変更のおかげで、iPhone 6ではWi-Fi接続も3倍高速になった(編集部注:Wi-Fi通話とVoLTEは、現時点で国内キャリアは未対応)。

4.指1本でサインオン

 Appleは9月11日、iPhone 5Sで導入された指紋認証システムである「Touch ID」が、サードパーティーアプリの起動に使われると発表した(デモで示されたのは、オンライン会計プログラムの「Mint」だった)。これは、スマートフォンで多くのモバイルアプリを使用する企業にとっては素晴らしいニュースだ。iPhoneの仮想キーボードでパスワードを入力するのは、骨の折れる仕事だった。また、スマートフォンにインストールしたパスワードマネージャからログイン情報をコピーして使う作業は、それ以上に複雑だった。もしTouch IDがiOSアプリのシングルサインオンプラットフォームになるなら、かなり楽になる。

5.手早く安心な経費支払い

 モバイル決済プラットフォームである「Apple Pay」もまた、企業にとってはよいニュースだ。iPhone 6はユーザークレジットカードをスキャンして、参加店舗で商品を購入する際に、そのクレジットカードを決済に使うことができる。iPhoneには何百万人もの裕福なユーザーがついているため、おそらく多くの小売店が、急いで対応POSシステムを導入するだろう。明らかな利点は、セキュリティだ。iPhone 6はクレジットカード番号そのものを記録しないため(iPhoneのデバイスIDと組み合わせた、ほかと重複しない番号を作成する)、スマートフォンを紛失しても、クレジットカードをキャンセルする必要はない。

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