NECは9月25日、システムの開発過程でユーザーインタフェース部分を効率的に開発できるという業務システム構築基盤ソフトウェアの新版「SystemDirector Enterprise V8.3」の販売を開始した。税別価格は50万円から。10月30日から出荷する。同社では今後3年間で1万ライセンスの利用を見込んでいる。
今回のソフトウェアには、アジャイル型手法とウォーターフォール型手法を組み合わせたハイブリッド開発プロセスが取り入れられている。NECでは先行して複数のプロジェクトでハイブリッド開発プロセスを採用しており、その開発実績をもとにノウハウを標準化した。

ハイブリッド開発プロセス例(NEC提供)
これまでシステム開発過程の最終段階で複数回修正していたユーザーインタフェース部分を、上流工程でシステム発注者や利用者を交えて確認できるという。画面や帳票のレイアウトやデータ表示、遷移方法などをその場でツールに入力し、実物に近いアプリケーションを直ちに自動生成する。仕様や認識の違いによる修正や追加開発を削減し、全体の開発期間を短縮できるとしている。
画面レイアウトや遷移方法などをあらかじめパターンとしてテンプレート化する機能、共通機能を持つ部品を開発ツールに組み込んで使用できる。パターンから選択して開発を始め、適切な部品をドラッグ&ドロップなどの操作で組み合わせて作成することもできる。ユーザーインターフェースの標準化や部品の共通化を推進することで、システムとして統一された見映えや動きを効率的にできるとメリットを説明している。
上流工程での確認時に合意した設計情報からプログラムコードの自動生成、さらに機能設計書を自動的に生成できるという。自動生成されるプログラムコードは本番稼働用としてそのまま利用でき、動作保証しているものであるため、開発工数の削減と品質の向上が可能としている。
NECによれば、先行プロジェクトの実績などから、今回のソフトウェアでプログラムコードを最大65%自動生成、設計書(要件定義書、基本設計書、詳細設計書)を最大60%自動生成し、システム全体の開発期間を短縮できるとしている。