ITRの発表によると、国内“エンタープライズモバイル管理(Enterprise Mobile Management:EMM)”市場の2013年度の売上金額は前年度比で77%増の41億6000万円。2014年度も51.2%増の大きな伸びが予測され、2013~2018年度の年平均成長率(CAGR)は24%を予測している。
ゲートウェイ型とブラウザ型で構成されるモバイルアプリケーション管理(Mobile Application Management:MAM)市場は、2013年度で26.4%増、2014年度も22.6%増の高成長を予測している。モバイルコンテンツ管理(Mobile Content Management:MCM)市場は2013年度が61.4%増と大幅増、2014年度も30.3%増を見込んでいる。モバイル端末向け開発ツール市場は2013年度に前年度から4倍強に拡大、2014年度も高成長を持続する見込みとしている。
提供形態別エンタープライズモバイル管理市場規模推移(ITR提供)
EMM市場の大きな伸びには、企業でモバイル端末の導入と活用が着実に拡大していることが背景にあるとみられる。従来のモバイルデバイス管理(Mobile Device Management:MDM)から、アプリケーション配信型のMAMを統合したEMMへと市場は進んでおり、それに伴う利用者の拡大も市場拡大の要因となっているとしている。
モバイルOSなど市場変化の激しいモバイル市場では、パッケージ製品よりも変化に迅速に対応できるSaaSが支持されており、SaaS主体に今後も導入が進むと予想されると説明している。
同社は10月9日にEMMやMAM、MCM、モバイル端末向け開発ツールの全4分野を対象に国内47ベンダーへの調査に基づく市場動向と分析をまとめたレポート「ITR Market View:エンタープライズ・モバイル管理/スマートアプリ開発市場2014」を発刊した。2013年に発行した調査レポートで「モバイルデバイス管理」と「モバイルアプリケーション管理(アプリ配信型)」と分類した市場について、今回のレポートでは統合して「エンタープライズ・モバイル管理市場」としている。