Gartnerは2007年以来、翌年の戦略的テクノロジトレンドのトップ10を予測してきた。
2014年のレポートである「Gartner Identifies the Top 10 Strategic Technology Trends for 2015」では、アナリストらは重視する点について次のように説明している。「大きな影響をもたらす要素として、企業やエンドユーザー、IT部門に革新をもたらす可能性が高いもの、大規模な投資の必要があるもの、あるいは導入が遅れることによりリスクが生じるものが含まれる。こうしたテクノロジは、組織の長期計画やプログラム、イニシアティブに影響を与える」
GartnerのバイスプレジデントのDavid Cearley氏は、2015年のレポートでは3つの包括的なテーマが浮かび上がったとしている。
- 現実世界と仮想世界の融合
- 場所を問わないインテリジェンスの出現
- デジタルビジネスの変化における技術面での影響
興味深い長期的なトレンドの形成も見られる。Gartnerが過去3年に選んだテクノロジと、2015年のテクノロジを調べると、トレンドの選定において、毎年クラウドサービスがその役割を高めてきていることが分かる。
Gartnetによる戦略的テクノロジトップ10の変遷
実際のところ、2015年のトップ10のトレンド全てが、何らかの形でクラウドサービスとの相互作用に依存しているというのは、公平な見方かもしれない。あなたの考えはどうだろうか。この記事ではGartnerが選んだ2015年の戦略的テクノロジトレンドトップ10を紹介する。
1. 場所を問わないコンピューティング(初のトップ10入り)
モバイルデバイスの急激な普及は、誰にも明らかなトレンドだ。Gartnerは、その焦点がデバイスそのものから、さまざまな環境やコンテキストでユーザーとデバイスがどのように相互作用するか、ということに移行すると考えている。
2. モノのインターネット(4回目)
Gartnerは、「管理」「収益化」「運用」「拡張」からなる、同社の4つの基本的な「利用」モデルを再び強調することにした。モノのインターネットの細かいところに注目しすぎるのではなく、全体像を考えなければならない、ということも繰り返している。GartnerのバイスプレジデントでフェローのHung LeHong氏は、「このような拡張された、包括的なインターネットに対する考え方こそ、Gartnerが『モノのインターネット』と呼ぶものだ」と述べている。
3. 3Dプリンティング(2回目)
Gartnerは、3Dプリンティングはしばらくの間、驚くべきペースで成長し続けるだろうと考えている。企業は注意を怠らず、3Dプリンティングが自社の製品や価格構造に与える影響に基づいて、自社の市場での地位を見直さなければならない。
4. 高度で広範かつ不可視のアナリティクス(初)
ガートナーは、組込システム(モノのインターネット)は、企業のデータベースを既にいっぱいにしている、膨大な量の構造化および非構造化データを増大させる一方だろうと述べている。データの量と多様性によって、現在よりも高度なアナリティクスが求められるようになるだろう。Gartnerのあるリサーチャーは、「価値があるのは答えであり、データではない」と述べている。