三国大洋のスクラップブック

もっと注目を浴びていい--インテル「職場のダイバシティ促進に3億ドル」発表 - (page 2)

三国大洋

2015-01-26 07:30

2)「機会があってこそ」

 「やらせればできる」というとなんだか上目線でいやな感じもしてしまうが、要は機会があれば女子でもエンジニアリングなどに関して十分力を発揮する、といったこと。そんなことを思い知らされる話を少し前に読んだ。

 米アリゾナ州フェニックスに、Carl Hayden Community High Schoolという公立高校がある。そのロボット部で活躍する女性生徒らのことを採り上げた記事が12月はじめにThe Vergeで掲載されていた。

 このカール・ハイデン高校ロボット部は、今から10年ほど前に「恵まれない環境に育ったヒスパニック系の生徒たちが、その才覚と知恵だけを頼りに優れたロボットをつくり、NASAなどが共催する全米コンテストに出場して、MITなどの有名大学のチームを打ち破った」として一部で話題になっていたそうだ(このエピソードを映画化した『Spare Parts』という作品が米国では1月半ばから劇場公開されているらしい)。

[SPARE PARTS Official Trailer (2015)]

 その後日談ともいえるThe Verge記事の中味を要約すると、次のような感じになる。

 同校ロボット部には、コンテスト優勝で有名になる以前から何人かの女子生徒も所属していた。だが、彼女たちはもっぱら補佐役に回り、肝心のロボットづくりは男子生徒たちの役目という雰囲気ができがっていた(補佐役の仕事の中味は、各種の資料づくりやプレゼン発表など)。

 しかし、「小学生のころには男子よりも数学や科学の成績も良かった女子が、高校生くらいになると急に理系の分野に興味を失ってしまい、大学進学時にエンジニアリング関連の分野を選ぶのはごく少数になってしまうのはなぜかおかしい」などと思っていたふたりの顧問教師が、あるとき女子だけのチームをつくって大会に出場させることにした。

 この試み、結局2年で終わることになったが、ただしその終わり方は前向きなもの――つまり気付いてみれば、男子も女子も関係なく、ロボットの設計・組立から、ソフトウェア開発、運用までクラブ活動の全般に生徒たちが参加するようになり、もう「女子だけのチーム」を設ける必要はないと顧問教師ら判断したからだったそうだ。

 ちなみに、米国の大学でエンジニアリングを専攻する女子学生の割合は全体の18%だそうだ。

 このThe Verge記事のページにいくつかある女子高校生たちの写真からはとても力強い印象が伝わってくる。彼女らがニッパーやはんだごてを手にロボットの「内臓」を組み立てている写真、それにいろんな肌の色をした「いまどきの娘さん」たちの「ドヤ顔集合写真」みたいなものもある。

 このロボット部出身の中からは、その後アリゾナ州立大で機械工学(mechanical engineering)を専攻し、優秀な成績で卒業した後、スタンフォード大学の大学院で環境とエネルギーに関する博士号を取得した女性や、ニューヨーク大学に進んでコンピュータ科学を学ぶ女性なども出てきており、ほかにも電子工学、機械工学、コンピュータ化学、土木(civil engineering)などの道に進んだ女性もいるという。

 「あの女子ロボットチームがあったからこそ、いまの道に進むことができた」("That team gave me the chance to do something I would never have done otherwise,")というコメントが印象深い。

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