データ分析で価値を出せれば、顧客は定着する--ブレインパッド草野社長 - (page 4)

吉澤亨史 山田竜司 (編集部) 2015年01月29日 17時35分

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企業間データ連携には“仲介人”が必要

--経産省などが企業間のデータ連携を推進している。どうすれば活発になるか。

 ひとつは法整備ですね。違法な行為に当たるのではないかということになると、企業は絶対にやりません。最低限の法整備によるOKという担保は、国がやるべきです。ちょっと失敗すると世間から叩かれてしまうような風潮では、ますます企業が萎縮してしまいます。法という枠組みは必要です。

 その上で、情報交換をする場を作ってデータを出し合うか、あるいは「お見合い仲介人」のような、どこの会社にどのようなデータがあるかを理解している人が外にいて仲介すること。このふたつができるといいですね。

 あとは分析にある程度理解があり、仮説を立案する能力があること。これがないと無駄にデータを掘りまくることになってしまいます。分析を理解してビジネス課題に関連性のありそうな情報を想像でき、このデータがあればこれだけ精度が上がるのでこれくらいの価値があるからフィーを払ってもいい、といったことを想像できる力が必要です。分析ができる人が相互の会社にいないと、疑心暗鬼が生まれてしまいます。それぞれの会社に一定レベルの分析に関する理解と権力、承認できる人がないと簡単には回っていかないでしょう。分析の力を信じて価値を理解してる人が上層部にいる必要があります。

--自身で使っていて役に立っている分析ツールはあるか。

 まだ統計できるほど顧客が多くないですし、状況がどんどん変わっています。データ分析は過去のデータに基づいて未来を予測する話ですので、状況の変化が激しい市場では参考にならないケースがあるのです。

 われわれの場合、BtoBでは四半期の中で対応する顧客が数十社ほどで、かつ7~8割が既存顧客のため、新規顧客は4~5社です。そうすると、そこは統計でなく一件一件、提案するような状況です。

 ただ、継続率と案件の入り方による顧客の善し悪しといった顧客分析はしていて、われわれの場合広告での問い合わせはあまり客筋がよくない、人づてでわれわれを探しあてるケースの方が真剣で、継続率が高いといったことを把握しています。それは依頼の際の悩みの深さの違いで、浅い依頼では顧客はアクションを取りません。社内の調整が面倒だからです。

 でも、ニーズがしっかりしていると、顧客は結果に基づいたアクションを取ります。アクションが取れないような分析では役に立ちません。そこはレポートする上で心がけています。

--モノのインターネット(Internet of Things:IoT)でのデータ分析ビジネスを考案しているか。

 IoTでは、まず大量のセンサからのデータがあります。センサからどの程度の頻度でデータを集めるかによって、データベースの大きさを計算します。

 そして、それを分析することで、センサの設置コストをどう回収するか、あるいは異なるデータを合わせることでどういう付加価値を見いだせるか。それをデザインできなければならないので、分析の力プラスもうひとつ(マネタイズという)レイヤの高い能力が必要になります。

 また、IoTやスマホの普及で起きることとして、リアルとネットが混在した現実社会があって、それを補足する手段としてセンサやスマホ上のサービスがあります。また、リアルの世界の映し鏡とするデータの世界を実現するためのセンサがあります。

 現実をデータ化するような機関があって、そのデータを分析して価値を創造し、サービスに戻していくようなサイクルを回していくわけです。そのサイクルをデザインすることはかなり大変で単独では難しい。ひとつのプレイヤーでできる会社はほぼないため他社との連携が必要と思います。

 センサを作る会社、分析する会社、通信のネットワークを確保する会社が必要です。しかし、それぞれの会社が利益を主張しながら何かを作ろうとすると、誰が束ねるかという話になって、なかなか進まないと思います。

 またスマートフォンやウェアラブルデバイスの分野ではGoogle、Appleのポジションが強すぎて、その2社にデータが集まることになります。そうすると、他のプレイヤーがどれだけ参入できるかわかりません。

 現在スマホ用のアプリを作っている会社以上の存在感を持つ会社がそんなに生まれないとすると、新規参入は難しいですね。こういった力関係、業界の構図は、自動車などに通信システムを組み合わせ、情報サービスを提供できる「テレマティクス」や情報家電、家庭エネルギー管理システム(HEMS)、スマートシティでも同様のことが言え、なかなか参入が難しそうです。

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