Cisco Systemsはソフトウェアの新たな販売モデル「Cisco ONE Software」をローンチし、さまざまなアプリケーションバンドルの一般提供を開始した。
ミラノで開催中の「Cisco Live Milan 2015」で発表された今回のローンチは、、既存のハードウェアベンダーがどれだけ自社システムとソフトウェアを切り離す必要に迫られているのかを浮き彫りにしている。詰まるところ、データセンターのソフトウェア定義化が究極にまで推し進められた場合、進化しないハードウェアベンダーは取り残されてしまうはずだ。
Ciscoのこのアプリケーション戦略では、通常はハードウェアにバンドルされるであろうソフトウェアを、企業向けにライセンスやサブスクリプションという形態で販売することが中心に据えられている。
同社のCisco ONE Softwareの製品管理担当シニアディレクターであるDan Lohmeyer氏は「たいていの人はCiscoという会社をソフトウェア企業だとは捉えていないが、Ciscoは売上高で見れば世界第5位のソフトウェア企業だ」と述べている。
Lohmeyer氏によると、Ciscoは企業向けのライセンス契約や永続ライセンス、サブスクリプションによる販売が可能なスイートを提供するという点において、同氏が以前勤めていたMicrosoftと同じ戦略を採っているのだという。またCiscoは、ハードウェアごとにさまざまに異なる形式化されたリリーススケジュールへと移行することになる。例を挙げると、最新のサーバアップデートは、ルーターやスイッチに比べると継続的な配備が容易になっている。Lohmeyer氏は「顧客は好きな時にアップデートを配備できるようになる」と述べている。
Ciscoのソフトウェア戦略および運用担当シニアバイスプレジデントJohn Brigden氏は、同社の中核ソフトウェアのテーマについてブログ投稿で概要を説明している。
- Ciscoはユーザーエクスペリエンスを第一義に考えて開発を行いたいと考えている。
- クラウド配備モデルは、あらゆるアプリケーションで利用可能にする。
- 自動化と簡素化によってハイブリッドな配備を可能にする。
- 消費モデルは柔軟であるべきだ。
Ciscoは2014年10月に「Cisco ONE」戦略の概要を説明していたが今回、順次展開を開始した。同スイートのユースケースはエンタープライズクラウドや、コンバージドデータセンター、次世代のブランチオフィス、モビリティ、インフラおよびネットワークの自動化、インテリジェントWAN、ユニファイドアクセスを中心としたものになっている。
また驚くにあたらないが、Ciscoは「インタークラウド」と同社が呼ぶもの(基本的にはハイブリッドデータセンターを意味している)を管理するためのクラウドスイート「Cisco ONE Enterprise Cloud Suite」を、一般提供しようと取り組んでいる。この管理スイートは、クラウドやオンプレミスのワークロードを管理できるようにするものであり、管理者からアプリ開発者までのさまざまなユーザーに訴えかけるものとなり得る。このクラウドスイートの大きな特長として、「Windows」上やLinux上の複数のアプリケーション向けのテンプレートが用意されているという点を挙げることができる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。