“信用あるサービス”を悪用した攻撃を初確認--2014年は「POS脅威元年」

NO BUDGET

2015-02-27 18:27

 トレンドマイクロは2月25日、日本と海外の脅威動向を分析した「2014年間セキュリティラウンドアップ:企業経営を脅かすサイバー攻撃の横行」を公開した。2014年は正規ソフトウェアのアップデート機能を悪用したサイバー攻撃による被害が国内で初めて報告されている。

 企業のウェブサイトの改ざんやネット広告を配信するサービスが悪用され、さまざまなウェブサイト上に不正な広告が表示される事例も多発していると指摘している。「信頼性」を悪用する攻撃は増加し続けており、オンラインバンキングの不正取引を狙うマルウェアの感染やフィシング詐欺サイトへ誘導される事例が確認されている。

 こうした被害は、結果的に企業のブランドイメージの低下を招き、事業活動の継続が危ぶまれる可能性がある。トレンドマイクロでは、企業側が自社のウェブサイトで利用する外部サービス、システムの提供元でどのようなセキュリティ対策を実施しているかを確認する必要があると注意を促している。

 また同報告書では、販売時点情報管理(POS)システムを狙ったマルウェアの検出数が増加していることも指摘し、2014年は「POS脅威元年」と表現。全世界での検出台数は対前年比約22倍になっており、自社の情報資産を棚卸しして、自社システムの平時の状態を把握した上で被害を最小化するための対策を検討を実施すべきだとしている。

甚大な二次被害が確認されているセキュリティ事故の2014年の事例
甚大な二次被害が確認されているセキュリティ事故の2014年の事例(トレンドマイクロ提供)
POSシステムを狙ったマルウェアの世界での検出台数
(トレンドマイクロ提供)

 2014年は多くの企業のサーバに影響するオープンソースソフトウェア(OSS)の深刻な脆弱性が多数確認されている。OpenSSLの脆弱性「Heartbleed」、Linuxなどで使用されるBashの脆弱性「Shellshock」などを挙げ、企業側は今後、MicrosoftやAdobeといった自社で使用している著名企業のソフトウェアに加えて、自社で使用しているオープンソースソフトウェアの脆弱性管理についても対策を検討すべきだとしている。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]