2020年のIPAの姿とは--CIOの立石氏

吉澤亨史 山田竜司 (編集部) 2015年04月23日 13時15分

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 IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)は、経済産業省の所管団体として2004年に設立され、ITセキュリティ情報の収集や公開、人材育成などを中心に活動している。その事業内容や取り組み、今後について、IPAの理事であり技術本部長 情報化統括責任者(CIO)である立石讓二氏に聞いた。

――IPAはどのような組織か。


IPA理事 兼 技術本部長 情報化統括責任者(CIO)立石讓二氏

 IPAの組織は、技術本部とIT人材育成本部の2本部体制となっています。情報処理技術者試験センターはIT人材育成本部に属しています。技術本部ではセキュリティセンターとソフトウェア高信頼化センター(SEC)が大きな業務となっています。セキュリティセンターは、ウイルスの届出先となる「ウイルス110番」から始まり、現在ではソフトウェアの脆弱性の届出機関としての機能や、サイバー攻撃、特に標的型攻撃の特別相談窓口としての機能があり、注意喚起する機能があります。

 SECでは、いわゆるバグのない、システム障害を起こさない信頼性の高いソフトウェアを開発するための手法の研究などを行っています。ほかにも電子政府で共通に必要な基盤、たとえば文字コード情報の標準化、政府内のいろいろなデータをオープン利用するときに用語などがバラバラなので、そのための共通語彙、ボキャブラリー辞書などの整備なども行っています。

 人材育成本部では、試験センターのほかに情報処理技術者として必要な教育カリキュラム、スキル標準を作ると同時に、ITのとんがった人材を発掘、育成する「未踏プロジェクト」を担っています。非常にユニークなベンチャーの卵たちを育て発掘するという事業ですね。

――CIOとして注力していることは何か。

 CIOとして念頭に置いているのは事業継続とセキュリティの2つです。特に事業継続について言えば、3.11を経験したというのは非常に大きなインパクトでした。どこの組織もそうだと思いますが、IPAでもそれぞれの事業部が独自に業務システムを作っていて、いわゆるサイロ型のシステムになっていました。

 それを前期の五カ年計画の中で集約して、共通基盤として所内のITインフラ部分を共通化して統一しました。今はその上に個別業務システムが載っている形です。これも事業継続の観点からは、業務の内容を精査して継続がどうしても必要なもの、そうではないものを「松竹梅」のようにちゃんと評価して、必要なものは本部だけでなく地方にもバックアップ拠点を設けるような整備を進めようと、計画を進めています。

 セキュリティでは、国民に対してセキュリティの重要性を叫びながら、自分の足元はお粗末だったという「紺屋の白袴」になってはいけないので、ここはむしろ他の先進事例になるくらいの意気込みで取り組んでいます。

――2014年はサイバーレスキュー隊を設立したが、最新の取り組みは。

 1つは、IPA内にセキュリティデバイスの運用管理や、常時のセキュリティ監視、分析やインシデント対応などを担う「SOC(Security Operation Center)」を設置しようと思っています。

 セキュリティの対策には大きく3つあると考えています。1つは個々人が自ら守らなければならない情報資産に対して、侵入を許さないような個々人が行うセキュリティ対策、2つ目は、組織として守りを固める意味でのセキュリティ対策があります。

 そして3つ目として、国全体の一員となって守るセキュリティ対策も重要になってくると思っています。今はもうサイバー攻撃自身が個人でも組織でもなく、もしかすると国家のレベルかも知れないと言われるくらい高度になってきていることからすると、それに一組織として立ち向かうことはほとんど不可能です。そのため情報の共有もそうですし、協調行動を取るような機能を持つことも実際に組織にとって重要だと思います。

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