地味で地道なUI/UX論

レイアウトも情報--UI/UXを設計する情報デザインの基礎 - (page 4)

綾塚祐二

2015-05-17 07:00

反復

 人間は、見ているものの中に無意識にパターンや規則性を見出そうとする。規則性を見出すと、その規則が続くことを期待したり、規則に従うもの、従わないものを弁別したりする。

 「反復」の原則は、レイアウト中で同じパターン(整列の仕方、強調の仕方など)を繰り返す、ということである。 同じパターンは、大きな括りでの関連性(同じカテゴリに属する、同じウェブサイトに属するなど)を示すことができ、また、見る人にパターンを予期させることで、リズムが強調され、中身の情報を頭に入りやすくすることができる。

 図4、6、7では、3つのグループに同じレイアウトが適用されており、反復の原則が使われている。 これらを混ぜると混乱を招く、ということは図示せずともお分かりいただけるであろう。

色について

 ここまで図で挙げた例ではあえて(補助線以外は)色は使わなかった。別に本連載のタイトルに合わせて地味にするためではなく、各原則の効果をなるべく純粋に見えるようにするためである。

 色はコントラストを付けるための手段の1つにもなるし、適切に使えば見る人にとって中身の情報を理解するための強力な助けとなりうる。配色について多少の知識があれば、スライドや画面の見栄えや印象も格段によくなるであろう。

 しかし、UIデザインや情報デザインにおいて忘れてはいけない大原則がある。それは「色だけを識別のキーとしてはいけない」ということである。

 色を見分ける能力は個人差が大きい。あなたが容易に見分けられる2つの色が同じ色に見える人たちが、意外といるかもしれないのである(逆にあなたに見分けがつかない色を容易に識別する人たちもいるかもしれない)。濃淡も、微妙な違いだけに頼ってはいけない。

 コントラストの節で複数の方法を併せて効果を高められることを説明したが、色を使う場合には、必ずそれ以外の方法も併せるようにせねばならない。


色や、(本稿では説明していないが)枠線なども使用した例。ちなみに例に使った言葉は、紅茶葉の産地名と、その地域にある農園の名前である

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    2023年OTサイバーセキュリティの現状レポート--75%の組織が過去1年間に1回以上の侵入を経験

  2. セキュリティ

    サイバーセキュリティ強化に向けてマイクロソフトが示す実践的な指針を紹介

  3. セキュリティ

    5分でわかる「AWS WAF」--基礎知識から運用で陥りやすい3つの落とし穴までを徹底解説

  4. セキュリティ

    最前線で活躍するトップランナーと本気で考える、これからのサイバーセキュリティ

  5. 経営

    ガートナーが指南、迅速な意思決定を促す「AI」活用を実践する3つの主要ステップ

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]