まとめ
レイアウトは本来伝えたい中身とともにユーザーが受け取る情報の一部であり、中身の伝わりやすさを左右するものである、ということを述べ、レイアウトの基本原則(図9にまとめた)について説明してきた。
レイアウトは最後に整えればいい、と思っている人もいるかもしれないが、早い段階から検討することで、中身の情報を整理し、より本質的に伝わりやすくすることにつなげられる。今回見てきた通り、レイアウトは主に中身の情報の構造を視覚的に表すからである。

図9:レイアウトの四つの基本原則
今回解説したような事柄を意識しつつ、電車の中の広告や駅のポスター、日ごろ見るウェブページなどを観察してみると、いろいろ気がつくことがあるだろう。
そろっている線、そろっていない線がどこにどれだけあるか。コントラストはしっかりついているか。そして、改良する方法を考えることでより理解が進むはずである。そうした日々の観察が、よいUI/UXのデザインの基礎となる。
次回は、ユーザーからの入力とそれに対する反応、すなわちインタラクションの話の予定である。
- 綾塚 祐二
- 東京大学大学院理学系研究科情報科学専攻修了。ソニーコンピューサイエンス研究所、トヨタIT開発センターなどを経て、現在株式会社電通国際情報サービス オープンイノベーションラボ所属。