Microsoftは米国時間5月27日、2016年に正式リリースを予定しているオンプレミスデータベース製品「SQL Server 2016」のパブリックプレビュー第一弾となる「SQL Server 2016 Community Technology Preview 2(CTP2)」を、同社ウェブサイト上で公開した。
このCTP2は、Microsoft Azureの仮想マシン上でテストすることも可能になっている。パブリックプレビューの第一弾にも関わらず通し番号が「2」になっている理由は、すでにプライベートプレビューとして「CTP1」がリリースされていたからだと、Microsoftの担当者は認めている。
Microsoftは2015年5月初旬に米国シカゴで開催されたカンファレンス「Microsoft Ignite」で、SQL Server 2016の計画を初めて発表した。その際に公表された、SQL Server 2016に搭載予定の、主な新機能と機能強化は次のとおり。
- 格納中のデータだけでなく使用中のデータも暗号化することでデータを常時保護する新技術「Always Encrypted」。
- ウォームトランザクションデータとコールドトランザクションデータをMicrosoft Azureに動的にストレッチする機能を実現する「Stretch Database」。
- Microsoft独自のインメモリ技術「Hekaton」の機能強化による、リアルタイムアナリティクスの実現。
- 「R」の統合による、新しいインデータベースアナリティクスの実現。
さらにCTP2では、次の新機能と機能強化が利用可能となっていると、Microsoftは述べている。
- リレーショナルデータと非リレーショナルデータの管理性を向上させる「Polybase」。Polybaseは、元は「SQL Server Parallel Data Warehouse Appliance」に搭載されていた。
- アプリケーションを修正する必要なしに、ユーザーの特性に基づいたアクセス制御を可能にする、ローレベルのセキュリティ機能。
- データをリアルタイムに難読化することで無許可のデータアクセスを防止する「Dynamic Data Masking」。
- データ変更履歴の追跡を可能にする一時データベース機能。
- データベースに関するあらゆる情報を記録および追跡できるようにする「Query Data Store」。
- マスターデータサービスのサーバ管理機能の強化。
- Azureへのハイブリッドバックアップ機能の強化と、Azure仮想マシンへのSQL Serverリストアの高速化。
5月27日に公式ブログ「SQL Server Blog」に掲載された記事によると、最近のMicrosoft製品では恒例となった頻繁なアップデートがCTPでも提供される予定である。ユーザーはCTP2の定期アップデートを有効化することで、CTP3のリリースを待たずに新機能を即座に試用することができる。
2016年の正式リリースが予定されているSQL Server 2016だが、正式版がいつ提供されるかは現時点では公表されていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。