ad:techなどの広告事業者向けのイベントが日本人に認知されたことや、インターネットがより浸透してきたことで、海外の最新情報がリアルタイムに得られるようになりました。
これまでは海外市場が、日本を常に先行する形で日本市場を牽引してきましたが、個々の取り組みや技術については遜色のないものになってきています。最終回は最新のトレンドについて話します。
PrivateExchange、PrivateMarketPlaceとは
ブランド広告主のプログラマティックバイイングのより一層の浸透には、ブランド保護を目的とした「掲載メディアや位置の透明性」などが求められました。
また、配信の予算を事前に確定できず、運用によっては予算を余らせてしまったり、RTBのオークションの中でブランド広告主のような大企業と一般的な広告主が”データを活用した運用力”で完全に同じ土俵で戦わなければならないのも課題でした。
そんな中でPrivateExchange(PE)およびPrivateMarketPlace(PMP)は、プログラマティックの柔軟性と純広告の透明性や発注の良さを併せ持ったメディアバイイングの手法として生まれました。ブランド広告主によるPMPの活用が広がっており、メディア視点でもより一層プログラマティックの重要度が増しています。
動画広告の拡大
若年層を中心にテレビからインターネットの端末にユーザーの接触時間が移っている事や、ネットでもユーザーに強力なブランド体験を与えられることから、動画広告市場がいずれ立ち上がるだろうと言われていました。
拡大への課題の1つは、YouTubeやテレビ局以外に動画在庫がなかったことでしたが、2014年から課題が解決されはじめています。Facebookのチャレンジにより、UIを変えた通常のウェブサイトの配信面での動画広告が成立してきたため、日本でもスマホを中心に動画広告拡大の兆しが見えてきています。
ネイティブアド、ネイティブアドネットワーク
従来のディスプレイ広告と違い、サイトのデザインやコンテンツに溶け込むようなタイプの広告手法が増加傾向にあります。一見すると、広告と通常コンテンツとの見分けがつかないものもありますが、ユーザーに良いコンテンツを提供できれば、メディアと広告主の双方にメリットがあります。
ネイティブアドネットワークはネイティブアドのアドネットワークで1つの広告枠に複数の広告主が配信がなされます。
Data Management Platform(DMP)
これまで広告主やDSPサイドからメディアは一方的に活用されてきました。メディアサイドがDMPを活用することで、データに関する主導権をメディアサイドが取り戻し、メディア主導でデータを軸にした商品設計が可能になります。またオフラインデータとオンラインデータ、マルチデバイスのデータ統合や、他社メディアのデータや配信面を活用した商品を構築でき、商品による差別化を図れます。