弥生ではこうした進化に向け、今回の新サービスとともに従来のパッケージ版におけるクラウド対応(ハイブリッド利用)もさらに押し進めていく構えだ。同社のこうした取り組みは、まさしく小規模法人のIT化促進に直結するものといえる。今後も会計業務3.0の動きに注目しておきたい。
「社長を退いても会社を去るわけではなく、会長として残るので引き続きよろしくお願いします」 (日本マイクロソフト 樋口泰行 代表執行役会長)
日本マイクロソフトの樋口泰行代表執行役会長
日本マイクロソフトが先ごろ開いた今後の経営方針に関する記者会見で、7月1日付けで新社長に就任した平野拓也氏が説明した後、社長から会長に転じた樋口氏も会長の役割と重点活動分野について語った。冒頭の発言はその際に、同氏ならではのユーモアを交えたコメントである。
樋口氏はまず、「新社長による経営および事業展開を全面的にサポートしていく」と明言。「多くの会社と関係を持つ当社は、そのリレーションシップをしっかりとやっていくことが非常に大事。それを痛感してきた経験から、新社長を支えていけるように努めたい」と強調した。
そのうえで、会長として「お客様との会社対会社の関係強化」「新たな戦略的パートナーシップの構築」「ナショナルアジェンダへの貢献」「人材育成の強化」といった4つのポイントに重点を置いた活動を行っていくとした。
とりわけ、人材育成では「これまで3つの会社で社長を経験させていただいたので、今度はその知見を次の世代へ伝授していく役目も果たしてみたい」との思いを語った。
ただ、樋口氏ほどのキャリアの持ち主が社長を退任したとなると、外部が放っておかないのも想像に難くない。そこで会見終了後、「外部から新しい仕事のオファーが相当あるのでは」と水を向けてみたところ、「正直に言うと外部からのオファーはいろいろといただいているが、今は会長職としてやるべきことがたくさんあるので、責任を持って臨みたい」との答えが返ってきた。
さらに「かつてのダイエー再建のような運命的な話が来たらどうしますか」と食い下がってみたところ、これには無言でニヤリ。本音を読み取ることはできなかったが、まだまだ近いうちに引退するような気配は全く感じなかった。
樋口氏には、これまでの多大なる経験と知見を生かして、グローバルな舞台で活躍する経営者としてまだまだ手腕を発揮していただきたい。