これもSASならではの見解といえよう。同氏はまた、こんな話も。「実は、SASは30年前から機械学習に取り組み、すでにさまざまな製品に組み込んでいるが、それをあまり前面に出してこなかった。今回の新製品を機に、SASならではの機械学習への取り組みも積極的にお伝えしていきたい」。今後のSASの機械学習に関する発信に注目しておきたい。
「パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方のメリットを享受できるサービスを提供したい」 (IIJ 勝栄二郎 代表取締役社長)
IIJの勝栄二郎 代表取締役社長
インターネットイニシアティブ(IIJ)が先ごろ、新たなクラウドサービス「IIJ GIOインフラストラクチャーP2」(IIJ GIO P2)およびネットワークサービス「IIJ Omnibusサービス」を発表した。勝氏の冒頭の発言は、その発表会見で、IIJ GIO P2の最大の特長について語ったものである。
IIJはこれまでクラウドサービスとして、オンラインで手軽に導入できる「IIJ GIOホスティングパッケージサービス」と、多様なITリソースを組み合わせてシステムを構成できるオーダーメイド型の「IIJ GIOコンポーネントサービス」を提供してきた。
IIJ GIO P2はこの2つのサービスを進化させ、より信頼性・処理性能を高めたパブリッククラウドと、オンライン申し込みで即時利用を可能にしたプライベートクラウドを1つに融合したサービスとして、10月から提供開始する。
一方、IIJ Omnibusサービスは、企業のネットワークに必要な機能を仮想化してクラウド上からオンデマンドで提供するネットワークサービスで、こちらは9月から提供開始する。
これら新サービスの詳細な内容については関連記事を参照いただくとして、ここでは勝氏が語った新クラウドサービスを投入する市場背景の話を取り上げておきたい。
「IT市場は最近になって一段と変化しているが、その中でもいくつか注目すべき動きがある。まずは、スマートフォンをはじめとしたスマートデバイスが普及したことによって、誰もがそれをいつでもどこでも利用できるようになった。また、そうした利用シーンの広がりもあって、例えばSNSなどが広く使われるようになり、さまざまな種類のデータが大量かつ高速にやりとりされるようになってきた。さらに、その大量のデータ、すなわちビッグデータを分析する技術もどんどんレベルアップしつつある。そして、それらの動きを支えるクラウドサービスが、多くの企業で使われるようになってきた」
こう話した勝氏は、IIJのこれまでのクラウドサービスへの取り組みにも言及した。「当社は2009年からIIJ GIOブランドでIaaSを本格的に展開している、まさしくクラウドサービスの先駆者だと自負している」。そして、今後のクラウドサービスの広がりについて、次のように語った。
「多くの企業に使われるようになってきたクラウドサービスだが、企業のIT投資全体から見ると、まだ1割程度の段階だ。ただ、この割合が2020年には3割になるともいわれている。そうなると、企業のビジネス価値に大きな影響を与えるものになるのは必至だ。そうした成長市場に向け、IIJは新サービスで顧客ニーズに幅広く対応していきたい」
果たして、IIJ GIO P2がクラウドサービス市場にどれだけのインパクトをもたらすか。注視しておきたい。