IIJ、IaaS構成を刷新--物理専有と仮想共有を提供、ハイブリッドクラウドを視野

NO BUDGET

2015-07-15 15:30

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は7月14日、「IIJ GIOサービス」で提供しているIaaSの構成を刷新、新たなラインアップとして「IIJ GIOインフラストラクチャーP2(GIO P2)」を発表した。10月から順次提供する。オンプレミス環境にあるシステムをクラウド環境に移行する新規顧客をターゲットに販売を推進していく。

 GIO P2は、これまで同社が提供してきたIaaSの2つ、オンラインで手軽に導入できるパブリッククラウド「IIJ GIOホスティングパッケージサービス」と、多様なITリソースを組み合わせてシステムを構築できるオーダーメイド型の「IIJ GIOコンポーネントサービス」を1つに融合、進化させた次世代のクラウドサービスと位置付けている。


(IIJ提供)

 サービス体系は、仮想サーバを中心とした共有リソースを提供する「パブリックリソース」と、VMware仮想化環境と物理サーバを専有リソースとして提供する「プライベートリソース」、パブリックリソースとプライベートリソースの両方のサーバで利用できる「ストレージリソース」で構成され、最適なリソースを組み合わせてシステムを構築できるとしている。

 マルチキャリア対応やプライベートセグメントの延伸など外部接続性にも優れ、オンプレミスや他社クラウドサービス環境とシームレスに連携できると説明。これにより、単一のクラウドサービスで幅広いユーザー企業のニーズをすべてカバーする“One Cloud”を実現するとしている。

 パブリックリソースは、仮想サーバを中心とした共有リソースを提供し、開発環境、簡易なウェブサービスから高いI/O性能が求められるオンラインゲームやECサイトのプラットフォームまで、幅広い用途に対応できるという。「性能保証」「ベストエフォート」「専有」という3つのタイプが用意され、オンラインで組み合わせやタイプ変更を自由にできる。

 性能保証タイプは、安定した処理性能を必要とするユーザー向けに、CPUが確実に割り当てられる仮想サーバを固定料金で提供。CPU1コア/メモリ3GバイトからCPU12コア/メモリ48Gバイトまでの16種類から選択できる。税別の月額費用は5800円から。

 ベストエフォートタイプは、CPUを分配利用することで低コストを実現した仮想サーバ。メモリ性能は確実に割り当てられ、仮想CPU1コア/メモリ1Gバイトから仮想CPU16コア/メモリ24Gバイトまでの16種類から選択できる。税別の月額費用は1100円から。1時間単位の従量課金体系でも利用できる。税別の参考費用は1時間あたり1.5円から。

 専有タイプは高負荷に耐えうる高いI/O性能を求めるユーザー向けに、仮想化された専有サーバを提供する。物理的に他のサーバから切り離されたセキュアな環境で、SSDかフラッシュストレージを搭載したサーバを利用できる。CPU16コア/96GバイトのSSD、CPU16コア/192Gバイトのフラッシュストレージの2種類を利用できる。税別の月額費用は10万5000円から。

 パブリックリソースでは、稼働中の仮想サーバからOSイメージを専用領域に保管することで、それをもとにしてサーバを迅速に構築できるようになっている。運用負荷が軽減し、高負荷時のスケールアウトやパッチの適用にもスピーディーに対応できると説明。カスタムOSイメージを保管する専用領域は、保管容量に応じた従量課金となっている。

 プライベートリソースは、オンプレミス環境で構築されたシステムをそのまま移設でき、企業の基幹システムにも利用できる信頼性の高いというプライベートクラウド。VMware仮想化環境と物理サーバを中心としたラインアップを提供し、ユーザー企業専用のリソースとして利用できる。タイプは「仮想化プラットフォーム VWシリーズ」「物理サーバ シングルタイプ」「物理サーバ クラスタタイプ」の3種類が用意されている。

 仮想化プラットフォーム VWシリーズは、ハイパーバイザ上に自由に 仮想サーバを構築可能、帯域10Gbpsまで対応する。CPU12コア/メモリ128GバイトとCPU24コア/メモリ192Gバイトの2種類がある。税別の月額費用は10万8000円から。

 物理サーバのシングルタイプでは、3種類のOSから選択可能、SSDかフラッシュストレージを搭載できる。CPU12コア/メモリ64Gバイトで税別の月額費用は7万5000円から。物理サーバのクラスタタイプの税別月額費用は7万5000円から。

 今回のサービス刷新では、これまでGIOコンポーネントサービスでは対応していなかったオンライン申し込みに対応。コントロールパネル経由でサービスの即時利用(標準モデルの場合)とサーバリソースのセルフ管理が可能となり、1日単位で必要なリソースを増減できる。

 最大24コア対応のCPU/192Gバイトのメモリ、帯域10Gbps対応など、これまでのGIOコンポーネントサービスに比べて、選択できるサーバの性能を向上させたと説明。ディスクなどのサーバスペックはオンライン上でカスタマイズできるようになっている。より大容量なメモリの搭載により集約率を高め、ユーザー企業自らシステム要件にそったサーバを設計、構築できるとしている。

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