三ツ森氏はこれまで、CA Technologiesや日本NCRの社長を務めるなど、IT業界において豊富な経験を持つ人物である。筆者も同氏がCA社長を務めていた頃から幾度も取材でさまざまな話をうかがってきた。
今回、日本NCR社長時代以来、およそ3年ぶりにお会いしたが、ポリコムジャパンの経営に意欲満々の様子。「ポリコムジャパンを日本で最も成功したグローバル企業にすべく、日々努力したい」と決意を新たにしていた。同氏の経営手腕に注目しておきたい。
「お客様に真の意味でのWindowsエコシステムを提供していきたい」 (日本マイクロソフト 平野拓也 代表執行役社長)

日本マイクロソフト 代表執行役社長 平野拓也氏
日本マイクロソフトとダイワボウ情報システム(DIS)が先ごろ、スマートフォンをはじめとしたWindows搭載モバイルデバイスの法人導入を支援する専任組織「Windowsモバイルビジネスセンター」をDIS内に設立したと発表した。平野氏の冒頭の発言は、その発表会見で、今回の両社の協業拡大における意義について語ったものである。
Windowsモバイルビジネスセンターは、両社が中堅・中小企業および教育市場のICT利活用促進を目的として2011年に設立した「Windowsタブレット推進センター」を拡張したものだ。Windows搭載モバイルデバイスにおいて、多様化するハードウェアやOSの管理を行い、業務効率の向上、セキュリティの担保、保有資産の活用といった法人需要に対応することを設立の目的としている。
Windowsモバイルビジネスセンターを軸として、全国約90カ所のDIS販売拠点とモバイルデバイスの拡販に注力する約1500社の販売パートナーを通じ、教育市場および中堅・中小企業で働く国内約2800万人に対して多様なモバイルデバイスの選択肢の提供と、Windows搭載モバイルデバイスの利活用シナリオを創出し、その導入を推進するとしている。
両社の会見内容の詳細については関連記事を参照いただくとして、ここでは平野氏の冒頭の発言にある「真の意味でのWindowsエコシステム」についての同氏の説明を記しておきたい。
「両社はこれまでも密接な協業関係のもとで、PCやサーバからタブレット、Officeなどのソフトウェア製品、Office 365などのクラウドサービスに至る幅広いビジネスを強力に推進してきた。その意味で、DISはマイクロソフトにとって非常に重要なビジネスパートナーである。今回、両社の協業をさらに拡大し、スマートフォンをはじめとしたWindows搭載モバイルデバイスを1つの大きなビジネスコンポーネントとして位置付けた形になった。これにより、お客様に真の意味でのWindowsエコシステムを提供できるようになったと考えている」
平野氏のこのコメントにある最後の部分を、冒頭の発言に取り上げた。マイクロソフトは先ごろ、Windows搭載モバイルデバイスの普及拡大に向けた最後の切り札ともいえるユニバーサルプラットフォームとして「Windows 10」を投入した。
今回の動きもそれをにらんだものだ。果たして、Windows搭載スマートフォンが広く受け入れられるようになるか。注視しておきたい。