本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、ポリコムジャパンの三ツ森隆司 代表取締役社長と、日本マイクロソフトの平野拓也 代表執行役社長の発言を紹介する。
「マイクロソフトとの連携によって、ワークスタイルの変革に貢献したい」 (ポリコムジャパン 三ツ森隆司 代表取締役社長)

ポリコムジャパン 代表取締役社長 三ツ森隆司氏
ポリコムジャパンが先ごろ、今後の事業の重点戦略を説明するとともに、最新技術を採用したウェブ会議システム向けのソフトウェアを発表した。この4月に同社の社長に就任した三ツ森氏の冒頭の発言は、その発表会見で、事業の重点戦略の1つに挙げたものである。
新製品は「Polycom RealPresence Web Suite」という名称で、最大の特長はプラグインなしでウェブブラウザ間のビデオ通信や音声通信、ファイル共有ができる標準的な通信プロトコル「WebRTC」を採用していることだ。
新製品を導入すれば、ユーザーがどこにいても、どのデバイスからでも、指定されたURLリンクをクリックするだけで、セキュアにウェブブラウザ上でビデオ会議ができるという。
新製品の詳細な内容については他稿に委ねるとして、ここでは三ツ森氏が会見で語った今後の事業の重点戦略に注目したい。同氏はまず、重点戦略の共通ビジョンとして「未来のワークプレイス」というキーワードを挙げた。
同社が掲げる未来のワークプレイスとは、技術、人、ビジネスプロセスを1つのシームレスなデジタル環境に統合し、時間や場所を選ばずに働くことができ、柔軟でありながら効率的かつ生産的なコラボレーションを可能にする環境のことだ。
これにより、コラボレーションツールにワークスタイルを合わせるのではなく、ワークスタイルに合わせた最適なコラボレーションツールを選択し、活用できるようになるとしている。
そして同氏は、事業の重点戦略として、「さらなる技術革新」「企業向けに特化した製品・サービスの一層の拡充」とともに「マイクロソフトとの連携強化」を挙げた。
同社の親会社である米Polycomは米Microsoftと2010年に、コラボレーション分野での製品やサービスの共同開発を含む戦略的パートナーシップを結んだ。現在ではポリコムの40種類以上の製品が、マイクロソフトのコラボレーションツールとシームレスにつながるようになっているという。三ツ森氏の冒頭の発言は、こうした状況を背景に述べたものである。