頼られ続ける「情シス」3つのポイント
翻って考えれば、ここまでテクノロジが経営や事業から注目され、重視されたことはこれまでなかった。だとすれば、この状況の中で最もテクノロジに親和性が高く、距離が近いのは情シス部の人間のはずだろう。
その強みをこれからの企業経営や事業運営に競争力として生かしていくためには何が必要なのだろうか。さまざまな企業のコンサルティングを手掛けた筆者が、経験を通じて提示できるポイントは以下の3つだ。
- 先端テクノロジへの「目利き力」を強烈に磨く
- 事業部門、顧客に対する理解深め続ける姿勢を貫く
- 目的志向の成果主義
社内で大手SIerとばかり会議していてもダメ。外に出よう
「テクノロジの目利き力」を磨くためには普段から先端テクノロジに触れている必要がある、ということは、本稿の読者には釈迦に説法だろう。しかし問題はそのソースだ。
もし社内にいる大手SIerが主な情報源だとしたら、目利き力向上は困難と言ってよい。もちろん、大手SIerは、体系立っているという意味で「リッチ」なテクノロジ情報は持っているが、それらは体系化されているがゆえに、事業部門側が欲している「最先端」情報ではない。
先端テクノロジ情報はどこにあるのか。例えば私が行くのはこんなところだ。
- SWSX(South by Southwest)、CES(Consumer Electronics Show)などのシリコンバレー系ベンチャーの登竜門と言えるイベント
- SLUSH ASIA、Maker Faire Tokyoなどの日系ベンチャーが集まるイベント
- クラウドファンディング、各種ビジネスコンテストなど、ベンチャー企業のプロダクト、ソリューションアイディアが集まる場所
- その他、上記ベンチャー企業が参加する標準化を試みる団体、勉強会など
情シス部員は、社内でSIerの相手に終始することなく、まず自ら外に出よう。社外に出てベンチャー企業で働く人たちと会おう。彼らと付き合うことで得られる情報だけではなく、そこで身に付くオープンな行動とマインドこそが、新しい情報を引き寄せるサイクルを作り出し、テクノロジの目利きとしての腕を磨くことになる。