攻める情シス

「攻める情シス」であり続けるために--イノベーションの種をまく - (page 3)

溝畑彰洋

2015-09-09 07:30

情シス部のフロアから出て、事業部と一緒に顧客に会おう

 前回、事業部門の課題把握が重要な要素の一つだと述べた。定例会を行っている企業もあるかと思うが、会議で課題把握をしようとすると、週次で会っても時間が足りない。逆に定例があるからそれ以外の期間は全然会話しないという話もあるし、定例すらないという企業もある。だが、課題把握において大事なのは、会議の種類や頻度ではない。

 事業部門、自社の顧客に対する理解レベルの高い情シス部門は、以下を実践している。

  • 事業部専任制をとる、あるいは一定の工数を各事業部門向けに確保している
  • 定期的な情報共有の場を持っている(会議・ブレーンストーミング・勉強会・イベントなどさまざまな形式)
  • 各事業部の事業計画、営業方針など主要な情報を共有、理解し、情シスのアクションに反映している
  • 時に顧客とのセッションの場に同席し、顧客・現場の雰囲気、行動特性を理解している

 テクノロジに素人である事業部門側がテクノロジを詳しく理解するより、テクノロジに詳しい情シス部門が事業部門の課題を理解する方がはるかに早く、効果が高いのは明白だ。情シス部門から距離を縮めるアプローチで協業体制とワークスタイルを作り上げていくことが成功の鍵だ。

利益志向・リスク重視モードから脱却しよう

 従来の情シス部門では決められたビジネスプロセスを忠実に支えるシステムを構築・運用することがミッションであった。このミッションは今後も果たされるべき重要なものだが、あらたな事業価値創造を新しいテクノロジを活用して目指す場合は、目的志向かつスピード重視である必要がある。ここでいう目的とはもちろん事業の価値を生み出すことであり、スピードとは成果実現のスピードだ。

 新しいテクノロジは、投資対効果の議論を始めるとグレーゾーンが多いため、採用にストップが掛かりやすい側面を持つ。そのため、まずはスピード重視かつ一定のゴールを目安に使ってみることが成功の鍵だと本連載では述べてきた。いわゆるアジャイルリーン型のアプローチだが、デジタルテクノロジの活用が進んでいる企業に共通している情シス部門の特徴は他にもある。

・高速プロトタイピングによる実現イメージのすり合せを行っている

 例えば、ウェブサービスであればPrott、Sketchなどのソフトウェアプロトタイピングツール。IoTであればArduino、Rasberry Piなどのハードウェアプロトタイピングのプラットフォームを活用している。

・高速プロトタイプを構築する体制が整っている

 インソース、外部リソース、クラウドソースを組合せ、高速プロトタイピングを可能にする体制を整えている。

・一定の予算権限を持っている

 一定の条件に置いて、情報システム部門内だけで自由に使用許諾を行える一定の予算権限を持っている。

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