米国時間9月4日に、トヨタ自動車が米国でMIT(マサチューセッツ工科大学)、スタンフォード大の2校と提携して、人工知能活用の研究に乗り出すことになった、というニュースが流れていた。
日本を代表する企業のことだけあって、すでにいろんなところで報じられているようなので、詳しいことはここでは割愛するが、「(あのGoogle Car誕生のきっかけにもなった)DARPA Robotics Challengeの責任者をトヨタが確保した」などとして米媒体でもわりと大きな話題になっていた(詳しいことが知りたい方は下記のページなどをご覧いただきたい)。
- トヨタ 米2大学と人工知能研究センター設立へ - NHK
- トヨタ、米大と人工知能研究 5年で60億円投資 - 日経新聞
このニュースで個人的にまず興味深かったのは、普段よく目にする媒体で長らくシリコンバレーの動きをカバーしてきた記者連中がこの話題を取り上げている、というところ。例えば、The NewYork Timesではパソコンの黎明期からテクノロジ分野を追いかけてきている大ベテラン(おそらくNYTでも最古参のひとり)のJohn Markoffがこれに関する記事をまとめている。
もっともMarkoffはここ1年あまりの間ずっとロボット=AI関連の動きを追っかけていて、8月下旬にはその結果をまとめた『Machine of Loving Grace』という題名の人間とロボットの関係を考察した書籍も出していたくらいなので、そんな人物がトヨタのこのニュースに反応するのは至極当然とも思われる――そういえば、GoogleでAndroidの責任者を外れたAndy Rubinが、Schaft(東大発のベンチャー)など複数のロボット関連企業を買収していたことを最初に伝えたのもこのMarkoffだった。
それに対し、Re/code(元のAllThingsD、現在はComcast=NBC Universalの関連企業)では、Ina Friedがこの話題を記事にしていた。Friedは、その昔CNETに在籍していたころからMicrosoftやAppleの話題を一貫して扱ってきた記者――つまりロボットカーもそういったものの延長線上にある技術というとらえ方をされているということだろうか。
ただ、「自動車は究極のモバイル端末」などと口にしていたJeff Williams(Apple業務責任者)の発言を思い起こせば、そうしたとらえ方があったとしても一向に不思議ではないが。