住友重機械工業、基幹システムをマネージドクラウドサービスへ移行

NO BUDGET 2015年09月09日 19時43分

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 住友重機械工業(SHI)はグローバルビジネスへの対応を見据えた基幹システムを刷新、新たにマネージドクラウドサービスへと移行した。ソリューションを提供したSAPジャパンが9月9日に発表した。

 近年、SHIでは海外進出にも積極的で、2014年度の実績においては海外の売上高比率が55%に達する。一方、従来の業務システムは、各事業部単位で個別最適化しており、分社化、M&A、事業再編といった環境変化に対する柔軟性が課題となっていたほか、システム運用の属人化が進み、メンテナンスの負荷も年々拡大していた。

 そこで同社では、さらなるグローバルビジネスの成長を見据え、事業環境の変化に迅速に対応するために、基幹システムの集約、統合を進めていくことを決め、2009年から基幹システムの刷新を検討していた。

 さまざまな業務領域を支援する基幹システムの中でも、最初のターゲットとなったのが会計領域。これまで、国産パッケージソフトウェアを大幅にカスタマイズした会計システムを本社と国内の主要グループ企業で利用しており、海外関係会社への展開などいくつかの面で課題があった。また、検討開始当時は国際会計基準(IFRS)への対応が求められていたこともあり、このことも新システムの要件となった。

 SHIでは、複数の選択肢の中から、グローバルと国内重工メーカーでの採用実績を評価してSAP ERPの採用を決定し、さらに当時リリースされて間もないインメモリ対応の「SAP Business Suite powered by SAP HANA」の採用を決めた。システムの選定においては、トランザクション系(OLTP)と分析系(OLAP)を1つのデータベースで実現する製品コンセプトが大きな決定要素となった。

 SAP Business Suite powered by SAP HANAの導入プロジェクトは2013年10月からスタート。当初はオンプレミスを前提としたシステム構築を考えていたが、将来の展開計画に合わせてサーバ構成を柔軟に拡張、縮小できる利点から、マネージドクラウドサービス「SAP HANA Enterprise Cloud」の採用を決定、2014年の春から開発環境、テスト環境、本番環境を用意した。

 SHIでは、開発の初期段階ではSAP HANA Enterprise Cloudサービスの1つである Projects環境を利用していたこともあり、クラウドに対する抵抗感は少なかったという。また、SAP HANA Enterprise Cloudサービスとは別にAmazon Web Services(AWS)上に試験環境(SandBox)を構築して、簡易なテストをしてきた経緯もあり、クラウド環境をうまく活用し開発を進めることができたとのこと。

 SAP Business Suite powered by SAP HANAは4月から本稼動を開始し、現在では本社と国内のグループ企業の会計業務で利用されている。新システムでは、これまで午前と午後の2回のバッチ処理の完了後に確認していた月次処理の状況が、リアルタイムで把握できるようになるなど、業務の効率化が進んでいるという。

 また、システム運用面では、自社仕様にカスタマイズした従来の会計システムから、SAP Business Suite powered by SAP HANAの標準プロセスに移行したこと、インフラ面ではオンプレミス環境で構築した場合と比べて設置スペースや電気代の削減、データセンター運用費用などでのコスト削減およびIT管理者の負荷軽減が期待されている。

 SHIでは現在、新たな会計システムを未導入の国内グループ企業に展開する動きを進めるとともに、国内の事業部におけるロジスティクス領域でのSAP Business Suite powered by SAP HANA導入を開始している。

 ロジスティクス領域については、量産系の事業部において、生産、販売、購買、プロジェクト管理のモジュールの導入が始まっており、2016年度中の稼動を目指している。2017年度以降は、最初の事業部に導入したシステムをベースに、他の事業部、海外の主要グループ会社に対しても横展開していく。

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