日立製作所は、インメモリデータベース「SAP HANA」向けの垂直統合型システム製品の小型モデル「Hitachi Unified Compute Platform for SAP HANA HA8000/RS440モデル(UCP HANA HA8000/RS440モデル)」を追加し、9月18日から販売を開始した。日本国内での最小構成の税別価格はサーバ部分が775万8000円から、ソフトウェアとサービスが個別見積もり。国内は9月30日から出荷する。
日立は5月から、同社のブレードサーバとストレージとHANAを組み合わせ、事前検証を済ませた垂直統合型システム製品として「Hitachi Unified Compute Platform for SAP HANA」を提供している。
HANAはSAPのエンタープライズソフトウェア「SAP S/4HANA」のデータベースエンジンをはじめ活用範囲が拡大している。特に最近では中小規模の統合基幹業務システム(ERP)や検証用途に適した小規模なHANA環境を求める企業が増加し、IT投資を抑えつつ簡単かつ迅速にHANA環境を導入できるプラットフォームが求められる傾向があるという。
UCP for SAP HANA HA8000/RS440モデル(日立提供)
新モデルは、ラックサーバ単体でHANA環境を構築できる中小規模システムや開発検証環境に最適と説明。ERPパッケージ「SAP ERP」を活用した業務プロセスの効率化やデータウェアハウス「SAP Business Warehouse」と組み合わせた高速データ分析を初期導入コストを抑えながら、迅速かつ容易に実現できるとしている。
処理性能別に2種類のモデルを用意するとともに、モデルごとにメモリ容量をきめ細かく選択できることでビジネス成長や業務データ量に応じた柔軟なリソースを拡張できると説明。日立のディスクアレイシステム「Hitachi Virtual Storage Platform(VSP)」と連携することも可能なため、開発から本番環境への効率的なシステム拡張や災害復旧(DR)環境の構築による信頼性向上が実現すると説明している。
CPUにXeon E7-8800v3シリーズとSAS HDDの内蔵ストレージを搭載、高さ4Uのラックサーバで構成。HANAの認定を取得した構成に基本設定を済ませた状態で提供する。2プロセッサ(合計36コア)を搭載した「Sモデル」と4プロセッサ(合計72コア)を搭載した「Mモデル」の2モデルを用意した。
選択可能なメインメモリ容量は、Sモデルが128GB/256GB/384GB/512GB/768GB/1TB、Mモデルが128GB/256GB/384GB/512GB/768GB/1TB/1.5TB。ビジネス規模にあわせた導入で業務データの増加に応じたメモリの追加やSモデルからMモデルへのアップグレードなど、柔軟にリソースを拡張できるとしている。
VSPと連携し、全データを保管することで開発から検証、本番環境へのスムーズかつ効率的にシステム拡張できると説明。日立ストレージ独自機能である「True Copy」を活用することでメインサイトの更新処理に同期してリモートセンターにデータを転送し、DR環境を構築できるという。VSPはSAP HANA Tailored Datacenter Integrationモデルとして認定されており、ユーザー側がHANA環境を構築できる仕組みとなっている(対象モデルはVSP G400/G600/G800/G1000)。