日立と日立コンサルティングは11月30日、企業の抜本的な構造改革を支援する「Transformation 支援サービス」の販売を12月1日に開始すると発表した。
同サービスは、日立グループの構造改革「Hitachi Smart Transformation Project」で培ったノウハウを活用したもの。グローバルにビジネス展開する日本の製造企業を支援する。
具体的には、プロジェクト体制や改革の進め方に関する上流コンサルティングから、SCMソリューション、グローバル調達ロジスティクスサービスなどのバリューチェーンにかかわる各種ソリューションサービスを提供する。
近年、グローバル競争に勝っていくためには、コスト構造やキャッシュフローを見直し、戦略の実現を支える事業基盤の再整備が必要だとされている。そのため、従来の「部門単位の改善」や「現場レベルの業務の見直し」だけではなく、企業全体で事業、組織、業務などを抜本的に見直していくことが求められている。同サービスは、こうした背景から提供開始されることになった。
日立グループでは、2011年度から2015年度までの累計コスト削減額4200億円を目標にしており、2014年度の累計で、間接コスト1500億円、生産コストと直接材コストで1700億円、計3200億円のコストを削減している。2015年度ではさらに1000億円のコスト削減を達成する見通しだ。
同サービスは、全体改革計画策定フェーズ、改革構想具体化フェーズ、改革実行フェーズの3段階で実行される。

「Transformation 支援サービス」の体系およびメニュー(日立提供)
全体改革計画策定フェーズでは、改革の本格検討への意思決定をサポートする「簡易アセスメントサービス」と、「Hitachi Smart Transformation Project」の事例やテンプレートをリファレンスとして活用しながら、プロジェクトの目標・課題設定、課題の優先順位づけを行う「全体改革計画策定支援コンサルティングサービス」の2つで構成されている。
改革構想具体化フェーズでは、SCM/ロジスティクス改革、調達改革、生産改革、保守・保全改革など個別テーマにおける改革構想具体化を支援する「個別テーマ改革構想支援コンサルティングサービス」が適用される。
改革実行フェーズでは、「ソリューション/サービス」として「Hitachi Smart Transformation Project」で活用したサービスも含め、構造改革実行に向けた日立グループのソリューション/サービスを提供する。提供するソリューション・サービスは、「Hitachi Total Supply Chain Management Solution/IoT」「グローバル調達ロジスティクスサービス」「グローバル会計ソリューション」など。今後、ソリューションのメニューをさらに充実させていく予定だ。
「Hitachi Total Supply Chain Management Solution/IoT」は、IoT技術とクラウドを活用して、バリューチェーン全体をデータでつなぎ、モノづくりに関するQCDRの全体最適化を実現する。「グローバル会計ソリューション」は、経営課題の共有・明確化、上流コンサルティング、ITサービスや調達代行、物流アウトソーシングまでをワンストップで提供する。
「グローバル会計ソリューション」は、会計システムの構築から複数拠点への導入支援、運用・保守までをワンストップで提供するソリューションで、各拠点の会計業務プロセスの標準化・効率化、内部統制の強化を実現する。
またこのほかに、多様なステークホルダ管理など、改革におけるプロジェクトの円滑推進を支援する「プロジェクトマネジメント支援サービス」もメニュー化されている。
「Transformation 支援サービス」の価格は個別見積もり。提供開始時期は2016年1月から。