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社内コミュニケーション失敗の末路--日本人の2大死因から考える - (page 2)

得能絵理子

2016-01-10 07:00

 日本人の2大死因は、ガンと心疾患である。

 まず、ガンとはいったいどんなものなのか。ガンとは細胞の異常増殖を指す。全身の細胞は、周囲の細胞とやりとりをしながら、全体のバランスをとっている。皮膚の細胞が壊れれば、その周辺の細胞を修正しようと増殖する。ある程度修復されると増殖をやめる。癌細胞とは、そうしたやり取りを無視し、自分勝手に増殖を繰り返す細胞のことをいう。


 ある会社でのことだ。社長が社内の改革を希望していた。古い業界のため、売り上げもジリ貧になっている。このままではいけない。社長は新しい商品を作ろうと、改革の必要性を社員に説いてまわった。

 「大した会社ではないのですが、頑張り屋の社員もおります。彼らと一緒に会社を作り替えたいのです」――。とても誠実な社長に、コンサルタントとして入ったわれわれは心を打たれた。

 社内をいろいろな角度で調査する支援をしたのだが、この社長の声が浸透していないということがわかった。それどころか不信感すらあることがわかってきた。誠実な社長だし、何が問題なんだろうと不思議に思った。

 そしてわかったことがあった。社長に近い幹部が、社長がいないところで社長の悪口をまき散らしているということがわかったのだ。社長が頑張ろうと新しいことをやろうと社員にハッパをかけても、陰で、「うまくいくはずはない、そんなことをしたら顧客を失ってしまう」とネガティブ発言を繰り返していたのだ。

 笛吹けど踊らず、いやむしろ、吹けば吹くほど、ネガティブな意識を持つ社員を増やすことになっていたのだ。社長にそのことを伝えることは非常につらかった。しかし、調査結果を知らせる義務があったので、我々は事実を包み隠さず社長にお伝えした。

 「そうですか。とても残念です。ただ、それは全て私のせいです。彼とはよく分かりあっていると思っていました。もう何十年も右腕として手伝ってもらっていましたから…。すぐそばにいる人とコミュニケーションが全くとれていなかったのは、間違いなく私のせいです」

 社長は、その幹部を叱り飛ばすことも首にすることもなく、何日間も何日間もじっくりと話し合った。結果、その幹部は、少しずつではあるが、態度を改めつつあるという。まだまだ道半ばではあるが、その社員を切り捨てずに、その社員と一緒に頑張ろうとしている社長の姿に頭が上がらなかった。

 「あいつは会社のガンだ」という表現がある。ガンとは、コミュニケーションをとらなくなった細胞のことを指す。

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