ストレージ機器は差別化ポイントを明確に
ストレージ機器については、対象となる年商規模がサーバよりやや高くなるものの、細かい機能面での差別化要素が「価格」よりも優先されるケースが見受けられる。
下のグラフは年商50~100億円未満の中堅下位企業層に対し、最も重要度の高いストレージ機器において「実際に活用している機能や特徴」(青色の帯)と「今後新たに活用したい機能や特徴」(赤色の帯)をそれぞれ尋ね、結果をプロットしたもの。
「活用中」と比べて「活用予定」の回答割合が比較的高い項目(今後ニーズが高まると予想される機能)としては「システムのレプリケーション」「プライマリデータの圧縮/重複排除」「オールフラッシュストレージ」「異種ディスク混在RAID」がある。データの回答件数が少ない点に注意が必要だが、こうした細かい差別化要素を地道に積み上げることが重要となってくる。

(ノークリサーチ提供)
なお、「オールフラッシュストレージ」のニーズは存在するものの、現段階では依然として中堅中小企業にとって敷居の高い選択肢といえる。ここで重要となるのが既存ストレージ資産を有効活用し、新たなストレージ機器導入の予算を出する取り組みだ。
例えば、「活用中」に比べて「活用予定」の割合が高い項目の1つである「異種ディスク混在RAID」は、ストレージ機器筐体を従来よりも長く活用したい場合に有効となる。
そこで、更新需要としてのストレージ機器導入時にこの機能を持つストレージ機器を提案しておけば、既存ストレージ機器が長く活用できることによって別の新たなストレージ機器を訴求する際の予算が確保しやすくなる。機能面での差別化要素を訴求する際には、こうした複数のストレージ機器を総合的に見た上での提案力も重要となる。