甲南大学、内田洋行、日本マイクロソフトは3月9日、「Microsoft Azure」などを活用した「教育クラウドプラットフォームの利活用」をテーマとする実証研究を4月1日から実施すると発表した。
この実証研究は、甲南大学 マネジメント創造学部で実施される。同学部では、「アクティブラーニング」や「プロジェクト型学習」の実践による課題解決能力の育成が進められており、2009年から学内の学習環境設備においても「アクティブラーニング」に対応した教室や、講義時間外でも学習の行える「ラーニングコモンズ」などの空間を先進的に導入している。
今回の実証研究は、教職員や学生から、さらなるICTの利活用が求められていることを背景に、「アクティブラーニング」や「ラーニングコモンズ」に対応するこれからの「教育クラウドプラットフォームの利活用」を検証するもの。具体的には、(1)スマートフォンを活用するアクティブラーニング支援アプリをベースにした学生同士のコミュニケーションの可視化と学習達成度の把握、(2)ソフトウェア配布・管理システムと連携し、大学で購入したソフト媒体を円滑に配布・管理できる仕組みの構築と効率化--を実証する。さらに、 教育クラウドプラットフォームを活用した授業の実施と学習効果の測定も行う。
アクティブラーニング支援アプリは内田洋行の「MOVARI」を、ソフトウェア配布・管理システムには同社の「Download Station」を活用する。また、BYODやマルチデバイス環境下におけるクラウド活用が普及する事を想定し、「Microsoft Azure」と内田洋行製品とを連携させた教育関連ソリューションの開発も進めていくとする。
※実証研究のシステム概要(日本マイクロソフト提供)
実証研究の期間は、4月1日から7月31日まで。1年生科目の「ITベーシック」(約50人を対象)と2~4年生科目の「ビジネス研究プロジェクト」(約20人を対象)で実施する。「ITベーシック」は、文章作成、表計算、プレゼンテーション資料作成などICTの基礎的なスキルを修得するもの。
学生はWindows、Macなどの個人ノートPCで学習し、スマートフォンでも閲覧できる動画教材を利用する。ビジネス研究プロジェクトでは、「新しいスマートフォンアプリを企画する」というテーマで、プロジェクト型授業でアプリの企画を行う。デザイン思考のプロセスを用いてアプリを企画し、企業へ提案する。