ユーティリティ事業向けのアナリティクスはどこが異なるのか。Bell氏によると、従来のビジネスアナリティクスは多くの場合、人やビジネスプロセスによって提供される情報が中心にあるという。同氏は、「大量のデータがあるわけではない。ユーティリティ事業では、大量のマシンデータが発生する。3000個のセンサを搭載する1つのタービンが熱や空気、設備の疲労などについて、1日に45Gバイトのデータを生成することもある」と述べた。そうした環境のアナリティクスでは、非構造化情報とパターンの発見を中心に据えなければならない。GEが利用する手法の1つは、データを使ってデジタルツイン、つまり物理的資産の仮想コピーを作成して、「what-if」シナリオを実行することだ。アナリティクスは物理的資産とマシン、データを結びつけなければならない。同氏は、「Facebookはソーシャルグラフを理解している。LinkedInはプロフェッショナルグラフを理解している。われわれは産業資産グラフを理解している」と述べた。
エネルギー市場でIoTはどのイニングまで進んでいるのか。Bell氏は、「われわれはまだ試合開始前の国歌を斉唱している段階だ」と気の利いたことを言った。「われわれの顧客が生み出すことのできる価値の市場機会は大きい。しかし、われわれは市場が大きいからこれをやる決断を下したわけではない。この分野に進出したのは、顧客がより大きな結果を求めていたからで、顧客がそのためのハードウェアとソフトウェアの提供をわれわれに要求していたからだ。エネルギー市場のIoTはまだ極めて初期の段階にある」(同氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。