トレンドマイクロは3月24日、2016年の法人向け事業戦略を発表した。サーバ、ネットワーク、ユーザーの3つのレイヤで最適化された包括的な製品やサービスを提供する。
新たにコンセプト「Connected Threat Defense(CTD)」を打ち出し、パートナーとの連携を強化、中小企業から大企業まで各企業に最適な製品やサービスを提供する。CTDは、同社のセキュリティ対策製品を連携させ、企業環境内の各ポイントでの脅威情報を俯瞰的に一元管理することで脅威に対して迅速に対応し、原因を追究調査して、感染被害範囲を最小化するというもの。
総合サーバセキュリティ対策製品「Trend Micro Deep Security」では、仮想化ソフトウェアベンダーやクラウドベンダーとの技術連携を進める。国内大手クラウドベンダーとの協業を深め、国内クラウド基盤へDeep Securityを搭載することで基幹システムのクラウド移行に伴い必要となるセキュリティを提供する。「TREND MICRO Cloud Integrator」コンソーシアムに加入するクラウドインテグレーターとともに、クラウドセキュリティの市場浸透を加速させていく。
ネットワーク型脅威対策製品「Deep Discovery Inspector」では、他社のセキュリティ情報イベント管理(SIEM)や不正侵入防止システム(IPS)との連携を進め、脅威をより迅速に検知、防御できるようにする。
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クラウド上で脅威などの情報を蓄積する「Trend Micro Smart Protection Network」と買収を完了したTippingPointのIPSを融合させ、既知の脅威はもちろんゼロデイ脆弱性に関する包括的なスレットインテリジェンスと保護を提供する。ソフトウェア制御ネットワーク(SDN)ベンダーと連携し、SDN連携セキュリティ対策製品を開発、提供する。
従来型製品群の次世代技術連携でサーバやクライアントなどのエンドポイントへの脅威を検知、対応するEDR(Endpoint Detection and Response)を開発して、最新脅威に対抗していく。OSベンダーやクラウドベンダーと連携し、SaaS向けセキュリティサービス「Trend Micro Cloud App Security」の導入推進に注力する。
中堅中小企業向けでは、販売パートナーと連携し管理者の負担を軽減するSaaSセキュリティ「Trend Micro Security as a Service」の導入を推進。特にエンドポイント向けSaaSセキュリティ「ウイルスバスター ビジネスセキュリティサービス」、総合ゲートウェイセキュリティアプライアンス「Cloud Edge」のビジネスを進める。