OpenStack専業ベンダー Mirantisの謎を解き明かす(前編) - (page 2)

松下康之

2016-05-10 07:00

 Gartnerがウェブスケールのアプリケーションの特徴などを訴え、かつては否定的に見ていたOpenStackを両手を上げて褒めていたのとは対照的だ。

 テクノロジは良くてもそれだけでは成功しないと語り、それよりもビジネスに使えるかどうかをちゃんと考えるべきというのがメッセージだった。


キーノートを行うBoris Renski氏

 1つ目のパブリッククラウドとの比較については、AWSなどのパブリッククラウドには“DevOps忍者”と呼ばれるDevOpsに特化した優秀なエンジニアが居るのに対し、プライベートクラウドを構築しようとする企業側にはVMwareの管理者しかいないと説明。

 だからアジャイルなシステム開発もクラウドに適した柔軟なシステム構成の実現も難しい――つまりクラウドを構築する人が企業側には足りていないと結論づけた。

 VMwareAdminという部分がスクリーンに現れた時に思わず会場から笑いが起きたほどに現状を鋭く突いたスライドだった。

 それに対してMirantisはOpenStackのエンジニアだけではなくシステムの構築をトップダウンで考えられるリソースを提供できる、ということを言いたかったのだろう。

 だからと言って「MirantisのOpenStackを買え」という直接的なメッセージこそなかったが、このプレゼンテーションに前後して実際にMirantisが手がけたユースケースが出てくるのだから、効果は抜群だったのではないだろうか。

 (後編に続く)

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. 運用管理

    データベース管理の課題を一挙に解決!効率化と柔軟性を両立する新しいアプローチとは

  2. セキュリティ

    セキュリティに対する意識や対策状況の違いが浮き彫り--日米豪における情報セキュリティの実態を調査

  3. セキュリティ

    マンガで解説!情シスが悩む「Microsoft 365/Copilot」の有効活用に役立つ支援策

  4. セキュリティ

    セキュアな業務環境を実現する新標準「Chrome Enterprise Premium」活用ガイド

  5. ビジネスアプリケーション

    AIエージェントの課題に対応、生成AIの活用を推進するための5つのデータガバナンス戦略

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]